11. 学生による英語辞書指導演習
                               ―英和辞典の場合

 2002年度(平成14年度)明海大学外国語学部英米語学科の授業の1つ「英語学特講V‐a 」では、前期(4月‐7月)に『スーパー・アンカー英和辞典』(第二版;学習研究社刊)を教材にして、英和辞典の構成、内容、利用法、指導法などを講義した。そのうち、指導法の時間には、受講生諸君に、高校あるいは中学3年担当の英語教師になったと仮定して、毎回の英語授業の初め、5分か10分を英語辞書指導のために利用するとしたら、どのような指導を行いますか、という質問をし、各人に実際にプレゼンテーションを行ってもらった。以下はその具体例である【転載にあたっては受講生の了解を得ている】。受講生にとっては、初めての経験であったので、最初はぎこちなかったが、次第に要領よく辞書指導を行えるようになった。指導案を提出してくれた諸君も何人かいる。
 諸所で言ったり、書いたりしてきたことであるが、英語教師を目指す大学生に対しては、一度はこうした辞書指導を施し、彼ら自身にも教師になったつもりでプレゼンテーションをやらせてみる必要がある。「辞書の引き方など、放っておいても覚えるものだ」と言った人がいるが、私はそうは思わない。生涯学習の一環としての辞書指導を心がけることは、英語教師として当然の義務だと言えよう。

(注記)
 1)フロッピー提出締切日【平成14年[2002年]7月18日(木)】を厳守した受講生のもののみ転載してある。
 2)内容的に見て改善の余地のあるものも含まれているが、そのまま転載した。

指導例1) 近藤 崇
自動詞と他動詞

(1) We all dream.  What are dreams, what do they do, and why do we have them?

(4) Dreams almost always grow from some thought we’ve had while we’re awake. Our dreams may be one way that our brains look at the facts we collect while we’re awake.  Dreams might be a way of facing fears.

(6) Many people have the same dream over and over.  Often this is caused by an unsolved problem.  Dreaming can (7) help us (2) learn.  That’s one reason babies sleep so much.

We can (7) help ourselves (8) remember our dreams better.  When we wake up, (5) we should talk about our dreams right away or write them down.  (9) We can sometimes control the kinds of dreams we have by controlling what we think about as we go to (3) sleep.

Our dreams are as different as we are.  Everyone has different dreams and different reasons for dreaming.

本文中の下線部の文や単語を見よう!この9の文と単語は2つのグループに分けられる。どういう基準で2つに分けられるかな?比較しやすいように下線部の文と単語を下記に抜き出してみた。それを見ながら考えよう!

(1)  We all dream.

(2) learn

(3) sleep

(4) Dreams almost always grow from some thought

(5) we should talk about our dreams

(6) Many people have the same dream over and over.

(7) help us / help ourselves

(8) remember our dreams

(9) We can sometimes control the kinds of dreams we have

下線と太字の部分とその周りをよく見てごらん。何か気づいたことはあるかな?

下線と太字の部分は「動詞」といって「動作を表す単語」なんだ。例えば、寝る、食べる、走る、話すなどだ。上記で挙げられている単語も、夢を見る、学ぶ、話すなどで、これらはみんな「動作を表している」ね。

注意深く下線と太字の動詞を見ていると、どうやら3つのグループに分けられそうだね。

(1) We all dream.

(2) learn

(3) sleep

(4) Dreams almost always grow from some thought

(5) we should talk about our dreams

(6) Many people have the same dream over and over.

(7) help us / help ourselves

(8) remember our dreams

(9) We can sometimes control the kinds of dreams we have

このように分けられるね。(6)〜(9)は動詞の後に形容詞や名詞、代名詞などがあるね。しかも動詞とぴったりくっついているね。(4)と(5)は(6)〜(9)と同じように形容詞や名詞があるが、動詞とはぴったりとくっついていないね。動詞と形容詞や名詞の間にはfromaboutがあるね。(1)〜(3)は動詞の後に何もないね。一体どういうことだろう?どんな違いがあるのかな?答えは辞書にあるから、辞書を引いてみよう!

まず、辞書で(9)のcontrolを引いてみよう。『スーパー・アンカー英和辞典』326頁を開いて!(便宜上、発音記号などは省略した。)

control [動])〜を支配する,統制する,管理する;を操作[操縦]する;を指揮する(→rule).−control prices物価を統制する/control air pollution大気汚染を抑える/The police were controlling the traffic.警察が交通整理をしていた.(以下省略)

controlは「〜を支配する、統制する、管理する・・・」という意味で、本文に出てくるcontrolは統制する、管理するという訳が使えそうだ。動詞のマークの右隣に()がある。これは何だろう?()という記号はcontrolという動詞が「他の力を借りないと動けない動詞(他動詞)」であることを表し、動詞の直後に形容詞や名詞、代名詞など「目的語」を必要としている。これらがないと動けない、役割を果たさないので、例文を見るとcontrol pricescontrol air pollutionThe police were controlling the traffic.のようにcontrolの直後に名詞が置かれているね。

ところでcontrolには赤い色がついているね。赤字はよく使われる単語やその意味を表すから、赤い色がついているものは必ず覚えよう!

havehelprememberも他の力を借りないと動けない動詞(他動詞)かどうか確認しておこう。

have [動]

≪プロフィール≫

≪(有形・無形のものを)持っている≫が基本義.1〜4はこの基本義に沿った意味で所有を表すが、2〜4のように人や無形のものを目的語にとると日本語で「持っている」と訳せない場合が多いことに注意.(以下省略)

()(手に)〜を持っている;(財産などとして)〜を所有している,〜がある.−I have a book in my hand [under my arm].私は本を手に持って[小わきに抱えて]いる/I have no money with [on] me.私は金を持ち合わせていません(以下省略)

(友人・親類など)を持つ,持っている,〜がある;(召使いなど)を雇っている;(店などに)〜を置いている,売っている.−She doesn’t have an uncle. (=〔英〕She hasn’t an uncle.)彼女にはおじがいない/He has no brothers.彼には兄弟がいない(以下省略)

(性質・属性などとして)〜を持っている,〜がある.−He has a big nose.彼は鼻が大きい(→通例His nose is big.とはいわない)You have a good memory.きみは物覚えがいいね(以下省略)

(感情・意見など)を心にもっている.I have a good feeling toward you.きみには好感をもっている(以下すべて省略)

703頁を開いたかな?()という記号は見つかったかな?この記号があるから、havecontrolと同様に「他の力を借りないと動けない動詞」であることがわかるね。1番目の意味は「(手に)〜を持っている;(財産などとして)〜を所有している,〜がある.」だ。その後の用例を見てごらん。

I have a book in my hand [under my arm].

I have no money with [on] me.

haveの直後には必ず「本」や「お金」などの「もの」(名詞)があるね。haveだけでは文が成り立たず、意味をなさない。「私は持っている」と言われたら、「何を?」と聞きたくなるね。だから「他の力を借りないと動けない動詞」は必ず「他の力」が必要だ。「他の力」は「本」や「お金」などの「物」だけでなく、友達や兄弟姉妹などの「人」でも良い。2の用例を見てごらん。

She doesn’t have an uncle. (=〔英〕Shehasn’t an uncle.)

He has no brothers.

an uncleno brothershaveの直後に置かれ、haveにぴったりとくっついているね。2は「(友人・親類など)を持つ,持っている,〜がある」の意味であるけれども、「〜がいる」と訳す方が自然な日本語になるね。

3の意味は「(性質・属性などとして)〜を持っている,〜がある.」で、用例に出ているように訳せば、自然な日本語になる。用例を見ると、1と2の用例と同じように、「a big nose」「a good memory」がhaveとぴったりとくっついているね。

繰り返しになるが、4の用例も「have と「a good feelingがしっかりくっついているね。4の意味は「(感情・意見など)を心にもっている.」だ。

3や4のようにhaveが必要とする「他の力」は形のあるものだけではなく、「a good memory」「a good feeling」のように形のないものもある。

≪プロフィール≫を見よう。そこには「(形のあるもの・形のないものを)持っている」が基本的な意味で1〜4はこの基本的な意味に沿った意味で持っていることを表すが、2〜4のように人や形のないものをhaveの直後に置くと日本語で「持っている」と訳せない場合が多いことに注意しなければならないとある。つまり、本文のMany people have the same dream over and over.「夢を持つ」とは訳せないということだ。どのように訳せば良いのだろうか?そこで、452頁にある名詞のdreamを引いてみよう。

dream [名]

1[C](睡眠中の)夢.(中略)I had a dream about my mother. = I saw my mother in a dream.私は母の夢を見た(→see a dreamとはいわない).(以下すべて省略)

この用例は本文のMany people have the same dream over and over.そっくりだね!用例のように訳せば良い。「have a dream」は「夢を見る」という意味で覚えよう。このhave dreamなしでは動けない動詞である。dreamがないと意味をなさない。haveが「他の力を借りないと動けない動詞」であることがわかるね。

help [動]

()(人が)(人)を助ける,手伝う,協力する,応援する;救う(中略)−Please help me.手伝ってください(以下省略)

(help (to) do)〜するのを手伝う,助ける(中略)

 (help A (to) do)A(人)が〜するのを手伝う,助ける.−They helped me (to) solve the problem.彼らはその問題を解くのを手伝ってくれた(以下すべて省略)

remember [動]

()〜を思い出す(中略)−I suddenly remembered his name.突然彼の名を思い出した(以下省略)

〜を覚えている,記憶している(中略)−I remember my promise.私は約束を忘れていませんよ(以下すべて省略)

helprememberhaveと同様の説明をする。説明は割愛させていただいた。用例で他動詞が目的語をとることを生徒に理解させる。

次に(1)のdreamを辞書で引いてみよう!dreamは『スーパー・アンカー英和辞典』の452頁に載っているね。

dream [動] ()(〜の)夢を見る(of, about).−I dream of her every night.ぼくは毎晩彼女の夢を見る.(以下省略)

dreamは「夢を見る」という意味の動詞だ。()という記号はdreamという動詞が「自分で動く動詞」であり、controlと違って、他の力を借りなくても動ける動詞であることを意味するのだ。

ここでswimという動詞を引いてみよう。(『スーパー・アンカー英和辞典』1563頁)

swim [動] ()泳ぐ;水泳する,競泳する.−Fish swim.魚は泳ぐ.

「自分で動く動詞」を見事に表したわかりやすい例文だね。この例文Fish swim.は英語として受け入れられる立派な文だ。

dream(452頁)に戻って、「自分で動く動詞」についてもっと詳しく勉強しよう。例文I dream of her every night.を見ると、この例文の仕組み(構造)と本文の下線部()Dreams almost always grow from some thoughtと下線部()we should talk about our dreamsの文の仕組みとが同じであることに気づいたかな?

I dream of her every night.dreamの例文】

Dreams almost always grow from some thought【本文の下線部()

we should talk about our dreams【本文の下線部()

このように「自分で動く動詞」は動詞の後に上記の名詞のような情報を加えたい場合は、動詞の直後に「of, from, about」などを置かなければならない。例文ではdreamの後にofが置かれている。

「自分で動く動詞(自動詞)」と「名詞(thoughtdreamなど)を中心とした意味のまとまり(名詞句)」とをくっつけるには「about, from, of」などの(前置詞という)「のりづけ」が必要となる。「のりづけ」をする時は、動詞との相性を見極めなければならない。

「のりづけ」の役目を果たす「about, from, of」も辞書で引いてみよう。

about [前]1【問題・事がらの周辺】〜について(),〜に関して,〜に関する.(中略)talk about a plan計画について話す(以下省略)

aboutには沢山の意味があるね。最初に書いてある意味「〜について」を見よう。

用例を見れば、aboutと相性の良い動詞や名詞が一目でわかるね。「talk about a plan計画について話す」の例文は見つかったかな?talkaboutは相性が良いね。talkの後に情報を加える時はaboutを挟んで加えよう。実際にtalka planの間にaboutが挟んであるね。talk aboutの形で使われる時、talkは「自分で動く動詞」でaboutは「〜について」の意の前置詞だ。だからaboutには前置詞を表す記号が書いてあるね。

fromofは割愛させていただいた。

このように名詞(thoughtdreamplanなど)を中心とした意味のまとまり(名詞句)のく品だから前置詞と呼ぶ。

続いて、本文の下線部(4)と(5)の動詞も実際に辞書で引いて確認しよう。

growは677頁。

grow [動]

()成長[生長]する,(植物が)育つ;(大きさ・数量などが)大きくなる,増大する,伸びる,増える;発達する.−Weeds grow quickly.雑草は生長が速い/Rice grows in warm countries.米は温暖な国にできる(以下省略)

[比ゆ的に](事件などが)(〜から)生じるfrom, out of.−Most prejudices grow from [out of] ignorance.偏見はたいてい無知から生まれる.

(grow C)(しだいに)(状態)になる(Cは形容詞)(become).−grow pale顔が青くなる(以下省略)

(grow to do)(しだいに)〜するようになる.−He has grown to like her.彼はだんだん彼女が好きになった.

()という記号があるからgrowは「自分で動く動詞」であることがわかるね。用例で確認しよう!

Weeds grow quickly.

Rice grows in warm countries.

この2つの例文のgrowは自分で動いているね。quicklyin warm countriesがなくとも意味が通じ、文が成り立つことも「自分で動く動詞(自動詞)」の特徴だ。

2の例文もgrowが自分で動いているね。「のりづけ」には「from」が使われている。相性の良い前置詞は2の意味の後に書かれているね。ここに注目した後、用例でどのように使われているか確認すると良い。

2の用例は本文の下線部()の文と文の形、仕組みがそっくりだ。本文に出てくるgrowは2の意味で使われているね。「夢はほぼ常に私たちの考えから生じる、生まれる」という訳になるね。

名詞のほかに、形容詞や動詞もgrowの直後に置くことができる。3と4の意味と用例を見てごらん。それぞれ良い用例が載っているね。growの後に形容詞を置けば、「〜になる」という意味になり、動詞を置けば、「だんだん〜するようになる」の意味になる。いずれもgrowは自分で動いていることを頭に入れておこう。

grow pale 顔が青くなる

He has grown to like her. 彼はだんだん彼女が好きになった.

talkも辞書で調べてみよう。1576頁を開いて!

talk []

()1(〜について)話す,話をする,しゃべる(about, on);(人と)話し合う,相談する(to, with).−Let’s talk together.いっしょに話そう[相談しよう](中略)Stop talking.おしゃべりはやめなさい/He doesn’t talk much about his past.彼は自分の過去をあまり話さない/I’ve got something to talk with you about.あなたにご相談したいことがあります(以下省略)

ものを言う;(鳥・機械などが人間の)ことばを話す[まねる].(以下省略)

(身ぶり・目くばせなどで)意思を表す,語る.(以下省略)

うわさ話をする;秘密をしゃべる,口を割る.(以下省略)

(物が)力がある,効力を発揮する.−(ことわざ)Money talks.金がものを言う(世の中だ)

()という記号があるので、talkが「自分で動く動詞」であることがわかるね。1の用例を見るとtalkが自分で動いていることがわかるね。特に「Stop talking.」の例文に注目しよう。Fish swim.の例文と同じように、「Stop talking.も動詞の後に何もなくとも、意味を成し、英語として受け入れられる立派な文だ。「自分で動く動詞」の良い例だ。

ポイントを整理すると・・・

(6) Many people have the same dream over and over.

(7) help us / help ourselves

(8) remember our dreams

(9) We can sometimes control the kinds of dreams we have

上枠のように「他の力を借りないと動けない動詞(他動詞)」は文を成り立たせるために、動詞の直後に形容詞や名詞、代名詞など(目的語)を置かなければならない。

(1) We all dream. (cf. Fish swim.)

(2) learn

(3) sleep

(4) Dreams almost always grow from some thought

(5) we should talk about our dreams

一方、「自分で動く動詞(自動詞)」は上枠の(1)〜(3)のように主語と動詞のみで文が成り立つ場合と上枠の(4)と(5)のように、動詞の後に上記の名詞のような情報を加えるために、形容詞や名詞などの情報と動詞の間に「of, from, about」など(前置詞)を挟む場合とに大きく分けられる。

最後に・・・

読み物で動詞が出てきたら、その動詞が・・・

文を書く時に、使う動詞が・・・
自分で動く動詞(自動詞)なのか

それとも・・・
他の力を借りないと動けない動詞(他動詞)なのか

を必ず辞書を引いて確認するように習慣づけよう!

     
スーパーアンカー英和辞典


指導例2) 小林央巳
  
こんにちは。小林央己です。よろしくお願いします。まず、プリントに入る前に。いよいよ明日から、サッカーワールドカップが始まります。そこで皆さん、サッカー、soccerという単語を辞書で引いてみてください。P1463の左下の方です。参考のところを読みますと、

(1)正式名称のAssociation Football-soc-の部分が変形してできた語;この正式名称は「フットボール協会(Football Association)のルールによるフットボール」の意。

とあります。

(2)には、「イギリスでは、通常単にFootballという。」

と書いてあります。

 発祥の地イギリスから広まったこのサッカーというスポーツは、ほとんどの国でfootballが基で同じような発音をしてこの競技の名前になっています。
 他にも国ごとの呼び方がありますが、このsoccerを「サッカー」と呼んでいるのは世界でも、アメリカと日本だけではないかと思います。

 では、このfootballも引いてみましょう。P593です。

 「Uフットボール。(→アメリカでは通例アメリカンフットボール(American Football)を、イギリスではサッカー(Soccer)、まれにラグビー(Rugby Football)をさす)。

 このように、footballはアメリカではアメリカンフットボール、イギリスではサッカーのことを言うと書いてあります。ちなみに、footballの二つ下の単語にfootball poolとあり、サッカーくじとあります。現在日本で行われているサッカーくじのTOTOは、イタリア語のトトカルチョから来ています。余談が少し長くなりましたが、本文に入ります。

プリントを出してください。
 今日は、皆さんが意外ときちんとわかっていないのではないかという発音について説明します。主に名詞の複数形の発音についてです。
 今言いました、名詞と言うのはモノや事の名前を表す単語です。そして複数形と言うのは、語尾にが付いている「二つ以上」を表す単語のことです。
 このあとも名詞、複数形という言葉が出てくるので覚えてください。プリントの中から複数形の単語を拾い出します。

dreams, brains, facts, fears, babies, ourselves, kinds.

では、この単語を読んでください。この最後のsはどうやって正確に発音すれば良いのでしょうか?ドリームスでしょうか。ドリームズでしょうか。試しに、dreams を辞書で引いてみましょう。ありましたか?ないですね。P452あたりでしょうか。
 では、dream という単語を見てください。P452の右側です。まず単語が書いてあって、その隣に発音記号が書いてありますね。その隣に、丸名とかいてあり、これは名詞の、dreamという事がわかります。更にその隣のカッコの中に、複という漢字が丸で囲まれていますね。そう、これが複数形のことです。
 複数形になると、このdreamという単語の後ろにsをつければ良いという事がわかります。そして、その横には「−z」と書いてあります。これは、ドリームズと、濁った音で読むという事です。
 そして、次にfacts。P535の右下です。やはり、単語の右側に丸複と書いてありますね。この単語もdreamsと同様に、単語の後ろにSをつけて複数形になります。しかし、発音を見ると「-ts」と書いてありますね。これは、「ts」と発音します。では、皆さんで発音してみましょう。
 あともう一つ、babiesこれは何の複数形でしょう?赤ちゃんですね。Baby P109の左側下のほうにあります。丸複のところには、「-bies」とあります。この短い横線は「baby」(=黒板に書く)の中丸の以前の部分的省略を表しています。これは最後のbからyiに変えてbabiesとするということです。そして発音は、濁った音の「z ズ」ですね。
 しかし、こうして辞書を見て一個一個覚えていかなければいけないのでしょうか。それでは、大変ですね。そこで、P1347、左側の上のほうを見てください。
 ここに、複数形のの説明が載っています。すごいですね、辞書は、文法書の役割もしてくれるのですね。まず、有声音のあとで「-s」、無声音の後で「-z」と書いてあります。で、無声音、有声音とは何でしょう。
 具体的に無声音とは何でしょう?

p, t, k, h, f, s, ...(その他の記号省略)」

有声音は、
1. 母音
2. m, n,
3. l, r, w, j
4. b, d, g, z

分かりやすく説明をしますと、r, b …こうして発音したときに喉に手を当てて、喉が震えるものが、有声音。例えば、dreams, babiesです。(自分で見本を見せ、実際に発音を生徒にさせてみる)
 無声音はt、k、こうして喉が震えないものです。例えば、books, popsです。
 そして、つづりとしては、(1)s, z, ch, sh, x及びoで終わる語は-esとります。
 例外は、oで終わる少数の名詞、及び、語尾のchを「チュ」と発音しない語です。

(2)「子音+y」で終わる語は、yをiに変えてesとする。

おさらいします。

Dreams, facts, babies,

最初の説明のように、辞書から複数形の発音を覚えたり、このような決まりから覚えたりして、発音を正確にできるようにしてください。今後も辞書を引く習慣をつけて、意味を調べるだけでなく時には文法書のように、時には歴史の教科書のように使ってみてください。


指導例3)山下祥子 

 皆さんは、学研から出版されている『スーパー・アンカー英和辞典』(以下、『スーパー・アンカー』)を知っていますか? 知っている人も多いと思いますが、この辞書は山岸勝榮先生(明海大学教授)が編纂されたものです。知らなかった人は、下記の文章を読んでもらえばこの辞書が普通の辞書とはまったく違ったものであることがわかります。普通は、単語の意味と関連語句だけでしょう。ところが、この辞書は違います。辞書的意味以外に文化的意味が紹介されています。例えば、犬という意味のdogを調べてみましょう。

日英比較 dog と犬

     英米人は、犬を「人間の最良の友」(a parson’s best friend)と考え、ふつうは家の中で飼う。したがって、日本のように屋外でチェーンにつながれている犬は彼らの目には奇異に映る。なお、犬はfidelity(忠実)の象徴とされるが、英語としてのイメージは必ずしもよくない。ちなみに、日本語の「犬死にする」は、「むだに死ぬ」の意味だが、類似の英語die a dog’s deathは「みじめな死に方をする」の意味。スーパー・アンカー』 P437より

このように、普通の辞書では到底知ることの出来なかった説明もされているのです。単に意味だけを調べるのではなく、単語の文化的意味を知ることは異文化を学ぶことにもつながります。よって、外国人との会話で誤解が生じることを防ぐ手助けになってくれます。他の単語による日英比較を知りたい人は、『スーパー・アンカー』 ページ〔15〕コラム索引 日英比較を参考に調べてみてください。e.g.「怒り」と顔色、ghostと「幽霊」など。

それでは次に、『スーパー・アンカー』を使って短い文章から単語を調べてみましょう。

  【例文】

     Many people have the same dream over and over. Often this is caused by an unsolved problem. Dreaming can help us learn. That’s one reason babies sleep so much.

まずは、「人々」という意味を思い出すpeopleを調べてみましょう。他には、どんな意味があるのでしょうか? 『スーパー・アンカー』の P1142を開いてみると・・・・赤字でプロフィールと書かれてあります。

 プロフィール

 《集団をなす人》が基本儀。集団をどのような視点から見るかにより意味が分かれる。

 A person (一人の人)の複数形としての「人々」()、社会の不特定の「世間の人々
)、国や民族を形成する「国民、民族」()、社会を形成する「一般民衆
)などである。通例複数扱いであるが、「国民、民族」の意のみ
c(数えられる名詞)
で単数扱いとなる。

                                            『スーパー・アンカー』P 1141 peopleより

プロフィールだけで、意味は一つではないことに気が付いてもらえます。上から下まで読まなくても、内容が凝縮されているのでわかりやすくなっています。次に、語法を見ていきましょう。

      語法
      英語ではman, woman, childなどに共通する「人」の意味ではpersonしかないが、
   数詞のあとの
personsには堅い響きが伴うため通例peopleを用いる。
                            『スーパー・アンカー』P1142 peopleより

Peopleには、personが関係していることがわかりました。では、personを調べてみましょう。『スーパー・アンカーP1148を開いてみると・・・・

    person

1C(性別・年齢の区別なしに) 人、人間(複数形にはpeopleを代用すること
が多い;→
people CTシャツマーク)〔名詞の修飾語を伴って〕
・・・タイプの人、・・・が好きな人―
I’m a morning person.私は朝型です/
She’s a cake person.私はケーキ大好き人間だ    3U C(ネクタイマーク)
bodyU C(ネクタイマーク)身なり、風さい;容姿

personからもpeopleが調べられるようになっています。言葉の関連性をもたせることで、語彙を増やす手助けにもなっています。見てもらえればわかりますが、この辞書は単語や大切なことが赤字で書かれています。また、記号やラベルによる説明もあります。Tシャツマーク)は、インフォーマル意で、くだけた日常語であることを示します。(ネクタイマーク)は、フォーマルの意で、改まった堅い語であることを示します。だから、視覚から内容を得ることもできます。他の記号やラベルもあるので、知りたい人は『スーパー・アンカー英和辞典』 ページ〔12 記号とラベル を見て下さい。例えば、二人の対話例や(ハートマーク)は性差についての解説を示すものなどがあります。

 辞書にはたんさんの知識がつまっているのです。見落としがちなことも記号やラベルが補ってくれています。意味を調べることは、知識を得ることにも繋がります。興味を抱いた人は、【例文】を『スーパー・アンカー』で調べてみて下さい。そして、辞書を活用していきましょう!


指導例4)高木麗子

 『スーパー・アンカー英和辞典』を使ってたった一つの単語からどれだけ多くの単語を関連付けて引くことができるでしょうか。それと同時にこの辞書の特徴を活かした方法で単語に親しんでいきましょう。
 それではcollectという単語からスタートしましょう。
 
  (SA286p) collect [動] →単語が赤色で表されています。
              これは高校までには必要と思われる必須単語のことです。
              
SA[6]参照        
              →動 というのは品詞を表しています。ちなみにこれは
              『動詞』という意味です。
SA[13]参照
                  意味→…を集める、を徴収する、集まる、等

collectの最後の行に注目してみましょう。
                     →名 collection と書かれていますね。
 これは、
collectの名詞形がcollectionであることを示しています。それでは次にその単語を調べてみましょう。
  
  (SA286p) collection [] →品詞は名詞を表しています。
                 意味→収穫、収穫物、等

そのまま下の単語に注目してみましょう。
 
 (SA286p) collective[形] →品詞は形容詞を表しており、意味から見てもcollect
              形容詞形であることがわかりますね。
 
                    意味→集めた、集合的な、等

collectiveの最後の行に注目してみましょう。

 ly →は、同じ語の反復を避けるためにcollectiveの省略を示しています。品詞は副詞を表しています。ここまでで、collectから3つの単語を引くことが出来ました。それでは、更に関連性に注目してみましょう。
 collect
の欄に戻ってください。1の意味が書かれている最後に(gather類語)」と書かれています。それではgatherを引いてみましょう。

  (SA630p) gather [動] 意味→…を集める、を摘む、等
 
意味を見てみると、collectと同じ(似ている)意味であることに気づきます。これを類語と言います。しかし、使い道はそれぞれ異なってきます。《類語 集める》の表を読んでみると、3つの同じ意味を持つ単語の異なるニュアンスが書かれています。

《例文》
  She gathered a lot of flowers. (彼女はたくさんのお花を集めた) 
  He collects stamps.    (彼は切手を集めています。)
  He assembled an audience. (彼は聴衆を集めた)

ここで、今出てきたassembleを引いてみましょう。
 (SA92p) assemble [] 意味→を集合させる、を組み立てる 
  
(注;ここで出てきたネクタイマークはフォーマルな語であることを示し、ティーシャツマークはインフォーマルな語であることを示しています。)

assembleの最後の行に注目してみましょう。

→名 assembly, assemblageと書かれています。その単語を調べてみましょう。

(SA92p) assembly [名]

     意味→会議、集会 等

1の意味が書かれている最後に(→meeting類語)と書かれています。meetingを引いてみましょう。

(SA965p) meeting [名]

     意味→会合、会議、等

それでは《類語 会合》の表に注目してみましょう。ここではmeetingの他に、gathering, assembly, conferenceといった単語が出てきています。

このようにcollect を引いただけで、これだけの単語を辞書でひき学ぶことができました。今回出てきた単語一つ一つの品詞を全て調べてみるとするならばもっと辞書をひくことになるでしょう。また、辞書独自の特徴を利用すると(例えば類語表・語法表 等)単なる意味調べの為の辞書ではなく、正しいニュアンスを知ることができ、よりNative Speakersとのコミュニケ―ションがスムーズにいくことでしょう。


指導例5)金坂 瞳

 助動詞「can」について

・  「can」という単語は一般的に「〜できる」という意味で私たちに親しみのある、よく用いられる単語である。そのような単語でも、辞書を引いて調べて見ることで、さらに理解が深まり正しい用法を知ることができる。

≪can≫ ⇒P220
意味 1.[能力] (することが)できる …する力がある(be able to
    2.[可能性・推量] (肯定文で)…でありうる、 …のことがある、 …しうる…しかねない(may)                       (否定文で)…のはずがない、  …ではありえない
      (疑問文で)いったい…かしら/だろうか
    3.[can+名詞] (否定文で)…だった/したはずがない
      (疑問文で)いったい…だったのだろうか、 …したことはありうるのか
    4.[許可・軽い命令]⇒インフォーマルな意味 
       …してもよいmay
    5.[許可を求めて]⇒インフォーマルな意味 
      …していいですか 

    6.[能力・依頼]⇒インフォーマルな意味 
      …できますか、 …してくれませんか

ここで1.の意味に注目。 同意語に「be able to」があることがわかる。

 be able to≫ ⇒P

   意味 1.(人が)(…することが)できる
       2.(人が)有能な、 敏腕な、才能のある
       3.(行為などが)才能を示すような、りっぱな

    be able to do …することができる

     be able to can

 

          be able to

                    can


現実に何かができることを強調する堅い
言い方。主語は通例「人」。
My granddad is still able to skydive.
祖父は今でもスカイダイビングができる。


生来の能力と学習による能力を表す。主語は人・無生物とも可。
I can’t run as fast as she can.
私は彼女ほど早く走れない。

過去時制


過去のある場面でできたことをいう(事実)
We were able to reach the summit.
頂上に着くことができた(実際に着いた)。


「できた」(事実)のほかに「やろうと思えばできる」(可能性)を表す。
We could reach the summit.
(やろうと思えば)頂上に着くことができる(可能性を示す)

未来形

will be able to do

なし

完了形

have [has] been able to

なし

受動態

なし

can be done

    上の表ではbe able tocanの違いがとてもわかりやすく表されている。
    違いを理解し、正しく使いわけることが重要である。

次に「can」の2.と4.の意味に注目。 同義語に「may」があることがわかる。

may≫ ⇒P957
  
  意味 1.[許可・容認]     
         
…してもよい   ⇒Can I〜?よりもMay I〜?の方が丁寧である
        [軽い命令] 
             
…しなさい
          [許可・容認]の意味に関して
               許可の表現にはいくつかあり、それぞれは異なった丁寧度を示す。
           例) タバコを吸っていいかを聞く表現とその返答の表現

             

     2.[可能性・推量] 
       …かもしれない たぶん…だろう、 …のこともある、

     (過去のことについて)…したかもしれない
    3.[相対的に用いて譲歩を表す]
      …かもしれない、 たとえ…しようとも
     4.[能力・可能性] 
      …できる(この意味では通例
canを用い、mayは特定の表現にのみ用いる)
     5.[目的]⇒フォーマルな意味
      Sothat A may do/in order that A may do Aが…するために、 Aが…できるように
    6.[祈願・願望]⇒フォーマルな意味
      May A do!) Aが…することを祈る
    7.[不確実]⇒古風   いったい…だろうか、 …かしら

     maycan

        may(主観的)

        can(客観的)

@You may smoke here.
バコを吸ってもよろしい

(話し手の許可)

AYou can smoke here.
喫煙可
(客観的な許可)

可能性

BA friend may betray you.
 友人があなたを裏切るかもしれない

CA friend can betray you.
 友人だってあなたを裏切ることはありうる(一 般論)

DHe may not be ill.
 「彼は病気でない」かもしれない

EHe cannot be ill.
 「彼は病気である」はずがない

        上の表ではmaycanの違いがとてもわかりやすく表されている。
       違いを理解し、正しく使いわけることが重要である。
       @Aに関して例えば、建物の中の喫煙所にかかれているのは
   「
You may smoke here.」ではなく「You can smoke here.」である       
   may
は話し手が自分に下す許可。
       Bは自分の友人だけに関することで、Cはすべての人の友人に言えること。
       DとEは可能性の度合いの違い。

まとめ

このように辞書で1つの単語から、その同意語を追っていくことでその単語と同意語の使われ方の違いがわかる。また、スーパーアンカ英和辞書では、その違いが表で詳しく表されていて、とてもわかりやすいので、辞書を使う際に表や赤い枠で囲まれた部分に注目してみよう。 


指導例6)竹田 望
 
皆さんこんにちは。最近は雨が多くて少しパッとしない天気が続いていますよね。でも雨のおかげで見ることができるものがあります。何週間か前に、ちょうど雨上がりに津田沼の駅を歩いていると虹が出ていました。私は久しぶりに虹を見ることができ、空を眺めながらとても晴れ晴れした気分で家に帰りました。周りの人がほとんど気づいていなかったことが残念です。
 ところで、この「虹」、英語で言うと皆さんもよく知っていると思いますが、rainbowです。皆さんは虹や虹色というと、たいてい「きれい」とか「さわやか」、「明るい」といったイメージを思い浮かべると思います。
 それでは英語圏の人達がこの「虹」や「虹色」から何を思うのか、辞書でRainbowを引いて見てみましょう。(1255ページ)

rainbowという赤く太く書かれたところに“解説”が書いてあります。そこには、

(1)   キリスト教では神の許しの象徴。
(2) にじの7色は外側からred, orange, yellow, green, blue, indigo, violetだが、
  英米では
indigoblueに含めて6色とすることもある。
(3) 最近では「さまざまな人種の強調」の意味でrainbowを用いることもある。

と書いてあります。

(1)を読むと分かるとおり、キリスト教徒にとって虹は私たちとは違ったイメージをもたせるのです。驚きですね。これは、皆さんも耳にしたことがあると思いますが、「ノアの箱舟」という物語で、神は悪行ばかりする人間を創り出したことを悔んで人間の住む大地に大洪水を起こします。その時ノアという人だけが神に定められた動物と一緒に逃げることができました。そして40日間洪水が続いた後に、神は人間を許し、「人に対して、大地を呪うことは二度とすまい。」としてノアと約束をしました。その約束の標しとして空に虹がかけられたのです。皆さんにここで知ってもらいたいことは、英語にとってキリスト教の聖書は切っても切り離せない存在だということです。キリスト教徒の多くによって話されてきた言葉であり、逆に、英語を話している人の多くがキリスト教徒なのです。この辞書を捲(めく)っていると、皆さんその重要性がわかりますよ。

(3)を見ると、(→rainbow coalition)と書いてあるので、その下のrainbow coalitionを見てみましょう。これはどんな人種に対しても平等であるために働く団体です。

 実はアメリカでは、このレインボー色というのは一般的に同性愛者の人達の象徴と受け入れられています。個人の家などにレインボー色の旗が飾ってあれば、それは同性愛者が住んでいることを表しているのです。彼らは自分たちが同性愛者だと言うことを隠そうとせず、自分たちも他の皆と変わらないのだと人権を主張し、差別をなくそうとしています。毎年とても陽気なパレードまで開かれているようです。
 また、(2)でわかるように、虹の色は日本では7色とされていますが、アメリカでは6色であったり、他の国々でも2色や3色のところもあったりするそうですよ。
 このように、自分の知っている単語や、普段何気なく思いついた単語を辞書で引いてみるとこんな発見があるのですよ。それぞれの言葉には教科書では見えない大切なそれぞれの文化がたくさんあります。この『スーパー・アンカー英和辞典』では、このような英語を使う時に一番大切なことを私たちに教えてくれます。皆ぜひ辞書からこんなことを学んでくださいね。
 
それでは、以前配ったプリントを見てみましょう。

  プリントの4つ目のパラグラフを見て下さい。今日はこの4行目にある、「sometimes」に注目してみましょう。(1470ページ)ここに赤く太い字でsometimesとありますね。ここに書いてある通り、私たちは“ときには”“ときどき“と訳すことが多いです。ところで皆さんは、

「私はときどき風邪を引いてしまう。」

と言うとき、一年に何回くらい引いていることを言いますか。きっと一年に23回、又は45回くらいという意味で使うと思います。では、本当にsometimesはそういう意味なのでしょうか。下の図を見てみましょう。

      

この表では、頻度を表す単語が、いったいどのくらいの度合いを表しているのかが、上から頻度の高い順に、%でわかりやすく書いてあります。
 一番頻繁に行われることを表すのには、alwaysが使われます。100%で書かれている通り、“いつも”“常に”という意味です。皆さんが持っているプリントの二つ目のパラグラフに“Dreams almost always...”とありますが、これは表を見てみると限りなくalwaysに近い、“ほとんど常に”という意味で使われていることがわかりますね。
 そして、その反対の“一度も〜ない”“決して〜ない”と意味するものは一番下を見るとわかります。Neverと0%で書かれていますね。 
 それでは50%を表すのはなんという単語でしょうか。表の真中を見ると・・・、ここに太字でsometimesが太字で書かれていますよ。おかしいですね。実は、私たちが使っている意味だと表のもっと下の方に書かれているはずでしたが、英語を母国語としている人たちはsometimesを“〜のうち半分は”“〜の時もあれば、〜の時もある”、という意味で使っているのです。ということは、先程皆さんに聞いた、

「私はときどき風邪を引いてしまう。」

を英語で、

I sometimes catch a cold.

といってしまうと、一年の内半分くらい風邪を引いていることになってしまいます。大変ですね、学校に来る人が一気に減ってしまいそうです。私たちが言っている23回、又は45回を伝えるには、sometimesの下にある、occasionallyonce in a whileを替わりに使うとより正確に伝えることができます。
 alwaysnever以外は、人によって少しずつ違ってきますが、私たちが頻繁に使っているsometimesなどの単語を自分たちの判断で勝手に使ってしまうと、相手に誤解をさせてしまいます。
 このようなモノの度合いを表す単語や可能性を表す単語(e.g. might, shouldなど)、他には丁寧さの度合い(e.g. Can you〜?, Could you〜?など)は、それぞれの表す意味の違いをしっかりつかんでおかないと、相手に誤解をさせてしまったり、失礼な言葉遣いをしてしまったりします。

この『スーパー・アンカー英和辞典』は、私たちが間違え易いことを表や絵、“解説”や“プロフィール”“日英比較”“英語文化のキーワード”などいろいろな形で教えてくれます。先程も言いましたが、その単語の意味を覚えるだけでは理解したことにはなりません。大切なのは、単語の意味と、その言葉にはどんな背景があるのか、その単語からどんなイメージを相手が持つのか、どういった解釈がなされるのかを一緒に知らなくてはいけないし、同時に、そのことを教えてくれる辞書を選ばなくてはいけないのです。おもしろいですね、今日は単語二つしかとり上げていないのにいろんなことを知ることができました。辞書を教科書の付属品のように思わず、教科書の一つとしてここからたくさん勉強してください。 


指導例7)田中康寛

私は第4段落の1行目のrememberという単語について説明します。

@ rememberという語を見て、最初に思い浮かぶ意味は何か考えさせる。
                   ↓

 今、生徒たちが行動に起こした、頭の中からその語の意味を探し出す=「思い出す」そのものがrememberのおおもとの意味である。

A rememberの詳しい説明は、『スーパー・アンカー』で説明する。
B p.1290の右側を開かせる。
C      プロフィールの説明
     rememberは「(過去のことを)思い出す」(1)が基本義であり、「覚えている」
   (2)、「忘れずに…する」(3)の意味があり、「忘れずにすべきことをする」
   (4)の意味に発展している。

D(1)〜(4) それぞれの例文を読む。
 (1)…思い出す;(remember that)…ということを思い出す *that節の代わりにwh-が用いられることもある。

  I suddenly remembered his name. 
  突然彼の名前を思い出した。
  I just remember that I had a letter to write. 
  手紙を一本書かなければならないことを思
い出した。
 I can't remember where I put my watch. 
  時計をどこに置いたか思い出せない

(2)…を覚えている(remember A doing) Aが…したのを覚えている

     I remember my promise. 
    私は約束を忘れていませんよ。

     I remember giving him the key. = I remember that I gave him the key.
            私は彼にカギを渡したことを覚えている。

 (3)(remember to do) 忘れずに…する *remember doing は別の意味。

    Remember to mail the letter. 
    その手紙は忘れずにポストに入れなさいよ。

  (4)忘れずにすべきことをする「贈り物をする」や「チップをやる」を遠まわしに言ったもの

    Will you please remember the waiter? 
    ボーイさんにあげるもの上げてくださいね。

E    ここで類語をチェックする。
   rememberは「思い出す」の意の一般語。その他にrecallrecollectは共にややかたい語で、通例忘れかけていることを「努力して思い出す」の意であるが、精神集中の度合いはrecollectのほうが強い。

F    それぞれの類語に目を通させる。
      p.1270recallの説明。

recall

*…思い出す (recall doing)…した事を思い出す
  rememberより堅い語。
  ・進行形にはならない。
     He recalled her face. 彼は彼女の顔を思い出した。
     I recall meeting him once. 一度彼に会ったことがあるのを思い出した。
*…思い出させる (recallA to B) BAを思い出させる
    That picture recalls my happy school days. あの写真を見ると楽しい学校時代を思い出す。
                               
p.1273recollectの説明
recollect
 *…思い出す、回想する(recollect doing)したのを思い出す
    (recollect that)…ということを思い出す
 ・進行形にしない
 ・フォーマルで改まった堅い語であることを示す(前のページ[12]参照)
    I recollect meeting him. = I recollected that I had met him.
                          私は彼に会ったことを思い出した。

まとめ
私は、今まで勉強は常に“教わる”という立場でしか経験してきていなく、教えるという立場の気持ちを考えたことがありませんでした。今回の経験で教える大変さ、自己理解していてもうまく伝えられない悔しさとともに教える楽しさも学んだと思います。特に僕は、この『スーパー・アンカー英和辞典』に凄く助けられたと思います。詳しい説明も連載されていて、そこまでには山岸勝榮先生が実際に肌に感じてきた経験なのだと思いました。先生が以前に何度も「この辞書は、私の血と涙と汗の結晶だ」とおっしゃっていた事が凄く分かりました。山岸先生が普段から学生に対し授業を行っていて、それを我々がしっかり理解ができるということは、先生にしかない今までの経験、絶え間ない努力があるからこそ、僕らは成長できるのだと肌でしっかり感じました。


指導例8)山崎 顕弘

まず、授業の冒頭にその時々に話題になっていることや、その日の授業で使う項目と関連していることで、子供たちが興味の持てるような話題を提供する。

 私は今回lookについて説明します。まず冒頭で皆さんワールドカップ見ていますか。などの会話をし、それではこの「ワールドカップを見る」という文を訳すにはどの『見る』という単語を用いればよいのでしょうかと、英語には見るという意味の単語が多くあります、などと進めていく。そして、まずlookを実際に調べてみる。

look [luk] (s[-s];ed[-t];〜・ing)

<プロフィール>

この語には基本的に二つの意味がある。1つは「(意識的にある方向を)見る()という意味で、通例副詞()を伴う。あと1つはappear,seemと同じように、「外観が‥のように見える()という意味で、通例形容詞・名詞またはlikeas ifを伴う。 

 実際辞書を引いてみると、このようになっていますが今回は(意識的にある方向を見る)という意味について詳しく調べていきます。ではこの()の意味の部分を見ましょう。


1見る、見ようとする(see《類語》)look away [aside]わき見をする/look behind [back] うしろを見る‥‥‥‥‥‥‥

のようになっています。まず意味は(見る、見ようとする)ということがわかります。ここで一番注目して欲しいのは、《類語》です。冒頭でも述べたように日本語で[見る]という語は様々な場面で使われていますが、英語には多くの[見る]という意味の単語が存在します。この《類語》がでてきた時には、似た意味の単語が他にもあるということを意味しています。しっかりと使い分けられるようになるためにもこの《類語》がでてきたら必ずチェックしておきましょう。

そして実際に辞書を引いてみると次のようになっています。

《類語》見る

seeは特に見ようとしなくても「(自然に)もの  が見える、目に入る」の意。Lookは見ようと 思って「視線を向ける」の意の自動詞で、通例 look atの形で用いる。watchは動きのあるもの を「しばらく見る」の意。

のように示されています。この表でも十分理解できると思いますが、実際にどのように使われているのかそれぞれの単語を引き、用例を見てみましょう。

まずseeの例文です。

  I (can) see a plane up there. あそこに飛行機が見え(てい)る。

lookの例文

  She looked everywhere for her keys. 
  彼女は車の鍵をみつけようとあちこちさがした。

watchの例文

  He was watching television in the lobby. 
  彼はロビーでテレビをみていた。

このように最初からしっかりと理解できなくとも例文を見ればなんとなくでも把握できるとおもいます。この例文を自分でも作り、使い分けられるようになればしっかりと理解したといってよいでしょう。
 最後に《類語》についてもう少し説明します。この辞書には類語の表が掲載されています。

[14]ページです。

類 語

        ページ       ページ        ページ

 abandon見捨てる‥ fat 太った‥‥547   pay 給料‥‥1135

 ability能力‥‥‥    fate  運命‥‥‥‥548 personality 個性‥1149

                      (以下略)           

となっています。このような表も活用しながら辞書を使うと非常にこの辞書が価値のあるものになっていきます。また私はこの類語を見るのが楽しいですし、「なるほど」と思わされることが多々あります。この《類語》の他にもことわざであったり、日英比較、世界地図といったり意味を調べる以外にも活用する方法があるのでしっかり活用していきましょう。ことわざや日英比較はとても楽しめます。   


指導例9)佐藤 真理子

look /see/ watch


 今日は辞書を使って勉強してみましょう。では、プリントの上から5行目を見てください。そこの一番右側にlookという単語があります。そのlookがどんな意味か、辞書を使って調べてみましょう。

 lookは912ページにあります。lookは大きく赤い文字で書かれていますが、これはいろいろな英単語の中でも、特に重要な単語を表しているのかもしれませんね。では、なぜlookが重要なのかlookの意味を見てみましょう。単語の下の「プロフィール」を見てください。そこには、2つの意味があって、1つは「(意識的にある方向を)見る」と書かれてあります。意識的に見るとはどういうことでしょう?
 例えば、みなさんは学校や外に出かける前に鏡を見ますか?その時「今日はどんな服を着ようかな」とか「髪の毛はきちんと整っているかな」など、みなさんは自分の姿を見ようと思って鏡の前に立つと思います。この時、みなさんは自分の意志で「見る」という行為をしますね。このように、lookはただ「見る」という意味ではなく、自分が「見ようとする」の意味が強いのです。
 では、辞書の例文も見てみましょう。隣のページ、左上の4行目の例文では“I looked (hard) but saw nothing.”「私はひとみをこらしたが何も目に入らなかった」と書かれています。ひとみをこらすというのは、よく見ようとすることですね。だから、lookを使うのですね。では、次の何も目に入らなかったというのはどういうことでしょう?これは、何も見えなかったということと同じ意味ですね。どうして「何も見えなかった」がlook nothingではなく、saw nothingというsawという単語になっているのでしょうか?
 そこで、sawを調べてみましょう。

 ページは1360です。このsawも大きく赤い文字になっていますね。そこにはseeの過去形と書かれています。さっきの例文では「何も見えない」ではなく、「見えなかった」と過去のことを表していたのでsawはseeの過去形ということがわかります。では、現在のことを表すseeを調べましょう。
 seeは1382ページです。まず、右上の「類語−見る」というところを見てください。ここには「seeは特に見ようとしなくても自然にものが見える、目に入る」と書かれています。さっきのlookは自分の意志で見ようとするという意味でしたが、seeは自然に見えるという意味です。では、自然に見えるとはどういう場面で考えられるでしょう?
 例えば、AさんとBさんが車で海に行くことになりました。もうすぐ海に着く頃になると、山の向こうにある海がAさんの目に入ってきました。この時Aさんには、自然に海が見えたのですね。このような時の「見る」には、seeを使いましょう。そして、Bさんは自分も海を見たいなと思い、窓を開けて見ようとしました。Bさんはこの時自分の意志で見ようとして、海を見るのでこの「見る」はさっき調べたlookになりますね。
 では、辞書に戻ってみましょう。seeの「プロフィール」を見てください。seeの基本の意味は、「見える、視界に映る」です。seeでは、「見る」というより「見える」や「目に入る」という意味が強いことがわかりました。

 もう1つ気になる「見る」が「類語−見る」のところに書かれています。3番目に書かれているwatchです。ここでは、「watchは、動きのあるものをしばらく見守る」とあります。watchも同じように、どのような「見る」なのか調べてみましょう。
 ページ1737です。初めに目につくのは、watchという単語が2つあるところです。1番目のwatchは単語の右を見ると[名]とあります。これは「名詞」を指します。2番目の印を見ると[動]とあり、これは動詞を指します。この辞書では、同じ単語でも品詞が異なる単語は別々に書かれているのです。今調べたいのは「見る」という動詞のwatchなので、2番目のwatchを見ましょう。
 「プロフィール」を見てください。watchの基本の意味は「注意して見守る」とあります。続きを読むと、「注意して見守る」から名詞では「見張り人」や「時計」の意味が生まれた、と書かれています。watchは名詞と動詞があるから別々に書かれていると言いましたが、watchの名詞と動詞が全く関係していないとは言えないのです。
 では、watchの基本の意味、「注意して見守る」はどんな場面で使うことができるのでしょう?例えば、bird watching(野鳥観察)ではwatchが使われています。バードウォッチングというのは、野生の鳥がどのように生活しているのかを観察することです。ということは、動きのある鳥をじっと見守ることですね。辞書の例文を見てみると、“watch a baseball game”「野球の試合を見る」とあります。野球を見るときにも止まっているものを見ているのではなく、選手がボールを打ったり、投げたり動いているものを見るということになります。だからwatchを使います。

 このように、look, see, watchは「見る」という意味があっても、それぞれみんな異なった性格があることがわかりました。また、「見る」という言葉は、日本語でも日常生活の中でたくさん使うことがありますね。英語でも同じように「見る」という言葉はよく使います。look, see, watchの使い方を知っていれば、英語で会話をする時もとても役に立つでしょう。
 今日は、lookという単語を調べただけで、意味が似ているようで違っている、他の単語まで調べることができました。類語という印を発見したら、さっそくその単語たちのどこが違っているのかを調べてみましょう。その単語のプロフィールや例文を見ると、その単語がどのような意味を持っているのか、他にどんな意味が生まれたのか、どういう場面で使えるのかを知ることができます。


指導例10)山口智也

FIFA world cup 2002 KOREA/JAPANが開幕しておよそ一週間が経過しました。各地で熱戦が繰り広げられるなか、先日、我が日本代表がヨーロッパの古豪、ベルギーと対戦し22と引き分け、歴史的な勝ち点1を獲得したことで日本中が湧き上がり本大会も盛り上がってきました。日本代表は予選の残り2試合世界に大和魂を見せ付けてほしいものです。
 そこでworld cupという言葉を引いてみましょう。(p.1793
  world cupと聞くと今のこの時期に限らず、サッカーが頭に浮かびますが、辞書を見てみると、ラグビー、ホッケー、スキーなど多くのスポーツで行われていると載っています。world cupはサッカーだけではないことがわかると思います。残りの3週間 world cupを楽しんでみてはいかがでしょうか。
 それではプリントを見てください。セカンドパラグラフにmayという単語があります。さっそく辞書で調べてみましょう。(p.957

【可能性・推量】…かもしれない。たぶん…だろう。…のこともある。その下の例文に
    It may rain. 雨が降るかもしれない。とあります。

 次にその2つ下の行にmayの過去形のmightという単語も引いてみましょう。(p.976
 形はmayの過去形ですが、通例過去の意味では用いない。とあります。

【可能性】ひょっとしたら…かもしれない。(形は過去形でも現在の可能性を表す。) 

例文 It might rain. ひょっとしたら雨になるかもしれない。とあります。

 ここまででは、maymightはどのような違いがあるかはいまひとつわかりにくいと思います。そこでmightの下に可能性の度合いを表す表があります。可能性の少ない順に、could, might, may, should, must(表参照)。この表を見るとmayよりmightにほうが少しだけ可能性が低いことがわかります。それではそれぞれの助動詞を辞書で調べましょう。

could (p.337)

【現在の可能性・推量】…かもしれない。

現在または未来を表す一種の仮定法で可能性はごく少ないがありうることの推量に用いる。couldの代わりにmightでもよい。とありますが、表を見るとcouldのほうが可能性は低いことがわかります。

should (p.1420)

2可能性・推量きっと…だろう。おそらく…だろう。

この単語の意味を見るとmay, might, couldに比べて可能性の頻度の違いを感じ取ることができると思います。

must (p.1017)

【推量】…に違いない。きっと…のはずだ。

例文を見るとほぼ間違いない、ほとんどそうだ。といった意味になり、限りなく断定に近い意味だとわかります。

このように日ごろmaymight, couldを見たとき推量や可能性を表していることがわかっても、どのくらいの度合いなのかまでは曖昧ではなかったでしょうか。みなさんの手元の電子辞書には、このような表が載っているものが少ないので理解するには少し苦労すると思います。そこでこのような表があると視覚的にわかりやすいので、理解にかける時間は短くなると思います。私は高校3年間初版の『スーパー・アンカー』を使って勉強していたのですが、ただ何気なく使っていました。ここまで深く意識しながら使ってみると『スーパー・アンカー』の良さが大変よくわかりました。私の高校時代は宝のものぐされだったなと思う今日この頃です。


指導例11)榎並 紗都子

辞書に親しみを持ってもらうために、身近な話題であるW杯サッカー大会の日本対チュニジア戦に因んで、まずチュニジアという単語を使って辞書指導を始めます。みなさんは明日(6月14日)、日本と闘うチュニジア(Tunisia)が世界のどこに位置しているか分かりますか?
 まずはTunisiaという単語を、辞書を使って調べましょう。1664ページ左側tunnelという語の上にあります。日本語ではチュニジアと発音しますが、英語ではと発音します。そして辞書には、「チュニジア(アフリカ北部の共和国;首都はTunis(チュニス);公用語はアラビア語)」と載っています。この『スーパー・アンカー英和辞典』の裏表紙には世界地図があります。それでは、裏表紙の世界地図でチュニジアの場所を探してみましょう。

※この地図は『スーパー・アンカー』の裏表紙の地図ではありません。

この辞書の地図にはもっと良い所があります。それは赤字で国名が書かれている国は英語を使うという印しになっています。自分が興味ある国やニュースで話題になった国が英語を使うのかどうかが分かるのでとても便利です。

では、これからプリントにうつります。

プリントの第2段落の上から2行目の“thought we’ve had while we’re awake”という文に“thought”がありますね。ではこの“thought”を使って辞書指導します。1610ページの右側に赤字で書いてあります。“thought”が2つありますね。1番目“thought”はthinkの過去形・過去分詞形です。今回の“thought”は名詞なので2番目の“thought”についてやります。“thought”は1〜6までの意味があります。その中でも特に赤字で意味が書いてあるものは覚えておきましょう。

6番目の所にことわざと赤字で書いてあります。この辞書はことわざも紹介しているので、息抜きとして、辞書をパラパラとめくってことわざ探しをしてもいいですね。

次に注目するところは、2番目の「(…についての)考え;」と書いてあるところに注目してみましょう。そこを読んでいくと、「(→idea類語)」と書かれています。これは、thoughtの類語がideaのところで説明している記号です。

では、ideaを引いてみましょう。763ページ右側の一番下です。このideaを見ていくと、764ページ左側のちょうど真ん中に「類語考え」と載っています。

この類語考えの説明を読んでみると、「考え」といっても色々な単語が当てはまることや、どういう時にどの単語を使えばよいかが分かります。

これから英語を学習していくうえで、辞書を使う際、類語の文字が出てきたらきちんと調べ、類語帳を作ると語彙が増えていきます。

最後にもう1つのこの辞書の良い点を説明します。

1609ページを開いてください。右側にまちがいやすい語と赤字で書かれてその下に、表があります。

      

私は学生の時よくこれらのようにまちがいやすい語をよく間違えていました。

間違えてばかりいてそのままにしておくのではなく、自分なりの図や表を作ってまちがいやすい単語は早めに覚えてしまいましょう。

また、意味やスペルがあやふやだったときは、そのままにしておかず、すぐ辞書を引き、確認をして、単語帳などを作って、きちんとした単語の意味やスペルを覚えましょう。


指導例12)宇田川 恵

第4段落の3行目 right awayについて

We can help ourselves remember our dreams better. When we wake up, we should talk about our dreams right away or write them down.

 では、まず辞書でrightを引いてみましょう。

right (P1318) P1319の左側の中央あたりにright awayが載っていますね?

right away (=right off)  P1319  
  ・『すぐに、直ちに』
      at onceよりもくだけた言い方
    例文)I’ll go right away :すぐ出かけます。(過去時制にも用います)

ここでsoon(類語)と書かれているので、調べてみましょう。(P1471

『類語』
soon :『まもなく』・どの位時間がかかるかはっきりしない。
immediately:やや堅い語で、『直ちに』の意味。
instantly :『即座に』immediatelyより意味が強い
at onceright away :インフォーマル

soon (P1471) 副詞
   ・「すぐ・まもなく・そのうち・近いうちに」
  ・「早く」(ある特定の時間のあとまもなくの意)
     例文)If we arrive too soon, we will have to wait.早く着きすぎると待たねばなりません。
        (ここでの特定の時間とは、待ち合わせとして設定した時間になります。)
では、immediatelyinstantlyat onceをそれぞれ調べてみましょう。

immediately(P771)
    例) Come home immediately :直ちにお帰りください。
      immediately after his arrival :彼の到着直後に
right awayより堅い語であるのはわかりましたが、それ以外に、『すぐ(近くに)』と、場所    を示す時にも使う事ができます。(例文2)

     例文) immediately under the table : テーブルのすぐ下に

instantly : (P805)→同じページにあるinstantがフォーマルであることから、派生した(展した)instantlyも堅い語であることがわかります。
         

*辞書P1471の類語の所でinstantlyは同じ堅い語として使われるimmediatelyより意味が強く、「即座に」を意味すると書いてありましたが、意味が強いとはどういうことでしょうか。例文を見てみましょう。

    例文)He stopped instantly. 彼はすぐに立ち止まった。

これだけではimmediatelyと変わらない感じがします。では、この語の名詞形instantを見てください。

instant : 「瞬間・即時・…の瞬間に」と書いてあります。

ですので、意味が強いというのは、「すぐに」の意味のなかでもさらに早い「瞬間的に」という意味でつかわれるのがわかります。

instantlyは文と文をつなぐ接続詞の働きもします。(as soon as)
     例文)He recognized her instantly he saw her.      
           彼は彼女の顔を見るとすぐにそれが彼女だとわかった。

at once : ( once P1080)「すぐに」という意味と、「同時に」といったニュアンスでも使われます。(= at the same time)

        例文) Don’t all of you talk to me at once : みんなで同時に話かけないでよ。
                                        
今まで挙げた語はすべて「すぐに」を意味しますが、堅い表現や、くだけた表現、さらには
どのくらい「すぐ」なのか、の度合いにも違いがあることがわかりましたね。


指導例13)藤田譲治

2パラグラフ “might について

今回は、might の語意の可能性・推量にフォーカスしてみたいと思います。スーパー・アンカー』(p.976)には、可能性の度合を表す助動詞の表が載っています。

You could   
might  
may      be right.   
should
must
可能性が少ない
     ↓
     ↓
     ↓ 
ほとんど確実だ

 可能性の高い助動詞から順に見ていきたいと思います。只今、W杯期間中ですので、それぞれの助動詞を用いてサッカーにちなんだ例文を作ってみました。

1must 〜に違いない きっと〜のはずだ
  6/9はロシア戦です。そこで ★Japan must win.

2should きっと〜である 〜のはずだ
  日本代表はきっと決勝Tに進出するはずです。そこで、Japan should advance to the finals of the tournament. 
           

3
may 〜かもしれない たぶん〜だろう
  明海サッカー部の部員の中から日本代表選手が選出されるかもしれないでしょうそこで、★   A Meikai Association Football Team member may be selected as one of the national team members.

4:mightひょっとしたら〜するかもしれない 
   友人 福田くんは、サッカーくじ“toto”を毎回買っていますが、いつか大当たりするかもしれない。そこで、    Fukuda might win the “toto”.

 最後に 
5could 〜かもしれない
   2010年のW杯は明海のグランドで開催されるかもしれない。そこで、 ★  The 2010 world cup soccer competition could be held on the Meikai Univ. Ground in Chiba, Japan.

終わりに、mustを使って一言 ★Super Anchor must be No.1 !       


指導例14)福田浩之

T、辞書で語句を調べる前に…

まず、最初に辞書の見方について調べる必要がある。

1、名詞においてはC][U]の記号に着目する必要がある。

[C]Countableの略で一般的に数えられる名詞(可算名詞)を指す。

[U]Uncountableの略で一般的に数えられない名詞(不可算名詞)
 を指す。

     語は複数の意味を持つために、一つの意味では[C]、もう一つの
  意味では[
U]という語がたくさんある。また、語の意味は文章
  に委ねられているので、それ一つだけであると大変多義的になる。

2、使用頻度の高い語は太字で書かれている。また、使用頻度の高い語意
 についても同様に太字で書かれていて、さらに語義の配列は使用頻度が
 高い順に
書かれている。

3、同意語で、反義語である。また、man-womanのように男女の
 違い
を表す語もそれぞれ
と示されている。同意語、反義語、男女
 で違う語が出てきた時はこちらにも注目する必要がある。

4、Tシャツマークinformalの意味であり一般的に日常のくだけた場面で
 
使われる。これに対し、ネクタイマーク
formalの意味で、ビジネスなど
  の堅く改まった場面で使われる。

5、日英比較の囲いがある場合は日本語と英語での語の使い方の違いなど
 
について書かれているため、必ずチェックしておいた方がよい。

6、英語文化のキーワードと示されているところは、語が持つ意味で文化的
 な違い
について書かれている。こちらも読んでおくと実際のコミュニケー
 ションにおいて大変役に立つ。

上が、辞書を使う前に最低限知っておく必要があると思われる項目である。もし、辞書を引いてこの他にも分からない記号などが出てきた場合は、巻頭に書かれている辞書の使い方を読み返す必要がある。

U、辞書を引いてみる

Everyone has different dreams and different reasons for dreaming.forに注目してみる。→p593595
                                   
まず、forの見出しを見るとforの横に小さくと書かれているのが分かる。ということは、forには2、3…とある可能性が予測できる。つまりforには最低二つ以上の品詞があるということである。最終的には1の前置詞と2の接続詞の2品詞であるが、今は接続詞の方は一旦置いておいて1の前置詞に注目してみる。
                                   
forのおもな用法”という表があるので見てみる。

forのおもな用法

 

混同しやすい例

I wrote a letter for him. 彼のために手紙を代筆した

1

I wrote a letter to him. 彼あてに手紙を書いた

I came here for the summer. 夏を過ごすためにここに来た

2

I came here in (the) summer. 夏の間ここに来た

leave for Paris パリに向けて出発する

the bus for Kobe 神戸行きのバス

(forは「方向」)

5

leave Paris パリをたつ

go to Kobe by bus バスで神戸へ行く

(toは「到着点」)

buy a hat for 50 dollars 50ドルで買う(〜と引き換えに)

11

sell pens at 10 dollars each 1本10ドルで売る(〜の値段で)

It is important for him to do it. 彼がそれをするのは重要だ(不定詞の主語を示す)

20

It is foolish of him to do it. 彼がそれをするのはばかげている(人の性質を示す)

p. 593

1、2、5、11、20の意味を確認する。

1【利益】…のために[]

2【目的】(ある目的)のために[]

5【目的地・方向】(ある場所)に向かって

11【交換】…と交換に

20【for A to do】A(人・物事)(…する)

※混同しやすい例は英文だけ見てみると似たような意味であるように思われるが、全く違う意味を持っているので注意。
                                      
Everyone has different dreams and different reasons for dreaming.からそれぞれをあてはめて訳してみると2【目的】(ある目的)のために[]が適切であると思われる。従って、“誰だって違った夢があるし、その夢を持つ理由もさまざまである”となる。
 前置詞forを調べてみたついでにforの熟語(成句)も見てみる。⇒p. 595
最も目についたのは、赤い文字で書かれたfor allという前置詞句で、意味は「…にもかかわらず」である。また、ここではネクタイマークが付いていることからfor allという熟語はformalだということが分かる。
さらに、ここではin spite ofとあるので、spitepp. 14871488を引いてみる。すると、こちらにはネクタイマークがないのでin spite offor allほど堅い語句ではないことが分かる。

また、ここでもdespiteとあるのでdespitep. 401を引いてみると、for allと同じようにこちらにもネクタイマークがある。従ってdespitein spite ofよりも堅い語であることが分かる。なお、despiteの語法説明によれば「despiteは簡潔であるために新聞などで多用される」のである。

forに戻って、次に2つ目のfor、接続詞のforについて調べてみる。⇒p. 595

接続詞のforはごくまれに出てくるのであるが、意味は「というのは…だから」である。becauseとは同じ意味であるように思われるが、forは簡単な理由を述べるのに対し、becauseは直接的な原因を述べるので用途は若干違ってくるのである。

辞書のbecauseに理由を表す接続詞について出ているので見てみる。⇒p. 135

使い方

文中の位置

because

理由が文の重要な部分を成し、直接の意味を表すので意味は最も強い

後半に置くことが多い

since

asとほぼ同じ意味でasよりもいくぶん堅い語。特に《米》で好まれる

しばしば文頭に置く

as

理由がすでに知られているか、文の他の部分よりも重要でないときに用いる

しばしば文頭に置く

for

理由を付け足しとして述べるので、意味は最も弱い。会話ではあまり用いない

後半に置き、文頭には置かない

p. 135

このように日本語に訳すと同じ意味を持つ語でも、英語では大抵どの語も全く同じだという語は無いので、時と場合に応じて適切な語句を使えるようにすることも大事である。


指導例15)小泉奈菜子

本文

1  We all dream.  What are dreaming, what do they do, and why do we have them?
2 Dreams almost always grow from some thought we’ve had while we’re awake. Our dreams may be one way that our brains look at the facts we collect while we7re awake. Dreams might be away of facing fears.
3 Many people have the same dream over and over. Often this is caused by an unsolved problem. Dreaming can help us learn. That’s one reason babies sleep so much.
4 We can help ourselves remember our dreams better. When we wake up, we should talk about our dreams right away or write them down. We can sometimes control the kinds of dreams we have by controlling what we think about as we go to sleep.
5 Our dreams are as different as we are. Everyone has different dreams and different reasons for dreaming.

3パラグラフ目の最初の語、manyを辞書で引いてください。944ページの左側です。

manyには1・2とありますが、このmanyは1の形容詞のmanyです。「manyの用法」と書いてある赤い枠の下を見てください
。 


[数えられる名詞の複数形について]多くの、たくさんの、多数の


という意味があると書いてあります。

では、この数えられる名詞とはどんなものでしょうか? 1つ、2つと数えることのできるものは数えられる名詞(加算名詞)、となりますが、これは数えられるのかな?というような語もあります。辞書で名詞を調べるとその語が数えられる名詞なのか、そうではないのかを知ることができます。

 では、いくつかの名詞を調べてみましょう。でもその前に、辞書の9ページ、Aよりも前にある数字にカッコのついている9ページを開いてください。

 真ん中のあたりから   と用法指示 とあります。

1.固有名詞を除き、すべての名詞の語義の前にを置いた。

2.は「数えられる名詞」(Countable)を示す。数えられる名詞は普通名詞である。したがって、@複数形にできる。A単数形で文中に用いるときは冠詞やmy, any, no, that, whatなどが必要、などの特徴を持っている。     [例] book, house, dog, tree

3.は「数えられない名詞」(Uncountable)を示す。本辞典のには次の種類を含む。
   a.物質名詞・抽象名詞など、@複数形にしない。A単数形で文中に用いるときも
    不定冠詞(
a, an)を必要としない、などの特徴を持っている。

   [例] butter, honesty

b.集合的な物・物事をまとめたもの。

   [例] furniture, information

 次のページまでこのについての説明があり、また前後のページには辞書の使い方が書いてあるので時間がある時に読んでみてください。

 では、実際に名詞を調べてみましょう。本文にもあるdreamを調べてみましょう。452ページの右側です。

 dreamにも1・2とありますが、1の名詞のdreamを見てください。意味が1から5までありますが、5の [形容詞的に] と書いてある以外、1から4は数字の後にCと書いてあるので、dreamは数えられる名詞ということです。

 では、数えられない名詞(不加算名詞)にはどんなものがあるのでしょうか? 先ほどいくつか例であがっていましたが、それ以外のものを調べてみましょう。moneyを引いてください。996ページの右側です。

 意味が1から3まであり、それぞれの数字の後にとあるのでmoneyは数えられない名詞ということです。お金ほどみなさんが一生懸命数えているものはないのにmoneyはなぜ数えられない名詞なのでしょうか? それはmoneyは集合的な物だからです。みなさんが一生懸命数えているものはcoinbillであって、moneyではないということですね。 
 さて、まだ
moneyのパージが開いているかと思いますが、このmoneyのページを見ると絵が書いてあるのが目に入ると思います。ついでにこれも見てみましょう。日英でのお金の示し方の違いについて書いてあります。  
          

とあります。このように辞書には言葉の意味のほかにも知っておくべきことが書いてあります。他にもみなさんが写真を撮る時に「ピース!」とVサインをだすことがあると思いますが、1725ページのV signを引いてみると 

             

 と書いてあります。実際の話ですが、私の友人がイギリスに行った際、喫茶店で「コーヒー2つ(Two coffees, please.)」と頼む時になにげなく指を2本立てて数を示したら、手の甲を外へ向けた逆Vサインの形になっていて、店員の表情が変わったという話を聞いたことがあります。このようなジェスチャーに関しての絵や説明がある単語もいくつかあって、〔18〕ページにリストがあるのでぜひ見てみてください。

 話を戻しますが、数えられない名詞には他にもwater, sugar, news, mail, homework, experienceなどたくさんあります。これらの数えられない名詞がたくさん・大量にある場合にはmanyは使えず、本文の3パラグラフ目の最後にあるmuchplenty of, lots ofなどを使います。でも文章中のmuchは副詞なのでたくさんの、という意味で使われてはいません。この副詞のmuchについてはまたいつかお話します。


指導例16)袖山明裕

1、挨拶:これから辞書の活用についての方法を発表したいと思います。そもそも皆さんは辞書を言葉の意味を知るためのものだとかんがえていませんか?本当は辞書にはもっと有効な使い方があります。その方法のいくつかを説明します。

、プリントの第二パラグラフの最後の行        
   
Dreams might be a way of facing fears.

ここで例文を読むときに fear(フィア)という発音を[フェア  ]にする;この例から、見たことが無い単語で、発音がわからないものがあったら辞書で調べることができるということを教える;正しい発音は[フィア](辞書を引かせる;発音について、辞書の最後のページに出ていることを伝える。今使っているこの『スーパー・アンカー』では付録も大変充実していることを言う;特に発音について図入りで詳しく載っているほかの辞書ではなかなかない。この辞書に限らず付録があるものがほとんどで、こういったものを活用するのも大変面白い、ということを説明する。) 

 さっきのfearのページに戻って、さてせっかくfearを辞書で引いたから、発音を見るだけではもったいない。意味も見てみましょう。このもったいないと思う気持ちが大切です。やぁ、fearという単語には恐怖という意味があるんだね。動詞もあるし、fearを使った単語もたくさんあるね、こういうのを一般に派生語と言う。(ここで、派生語の説明。)

3、(fearの類語を見てみる。類語は語のイメージをつかむのに役立つということを言う。イメージを持っていればその単語からなんとなくこういう意味じゃないかなという認識が湧き出るようになる、ということを言う。「恐れる」という単語がほかにもたくさんあるね、類語を見てみると。どういう違いがあるのか見てみよう。と言ってそれぞれの意味を調べさせる。Frightには、驚くという言うニュアンスがありますね、さらに矢印付きで「→fear)とありますが、これはfearを引いてみなさいということです。と教える。)terror, dreadにしても同じように調べていくと、非常な怖さ、恐ろしいものといったもの、派生語でterrorismといったものもあることから、その後の持つイメージがつかめます。他方では苦手なものいやなもの恐怖感といった役がdreadには出ています。以上三つをまとめると、驚く要素があるのはfear、非常に恐ろしくていやなものはterror、苦手なものはdread、といったニュアンスがつかめます。しかもこのことが、最初のfearの類語を調べると良くわかります。

4、さて、本文に戻ってfaceを見てみましょう。これは当然顔という意味ではありません。顔するといったのではなんのことかよくわかりませんよね。じゃちょっとその意味を調べてみましょう。顔、表面といったものが出ています。さらに見てみると動詞(動作を表す)もあるのでそちらも見てみましょう。面する、向き合う。と、ありますが、なんとなく顔に関係がある単語ですね。こういったことで先ほどいったイメージが、湧いてくるわけです。派生語もfaceは非常に多くのものがあり、こんな意味になるのかといったように見ていても面白いですね。(といったことを言う。)このfaceの項目では挿絵も出ています。(この挿絵などは非常にわかりやすいし、また見ていても楽しいということを話す。)

5、            それでは本文に戻りwayを見てみましょう。これもいくつか複数の意味がありましたね。知っている人もいるかも知れないけれど、そうでない人や確認の意味でももう一度引いてみよう。(プロフィールを見させる。これは基本の意味を見るうえで非常に役立つまた語のイメージをつかむのにも良い。)この場合、「〜へいく道、道筋」が基本の意味。本文の意味も「〜へ行く道筋」となります。さらに見ていくとroadを調べるように指示がありますから、そっちのほうも見てみましょう。

6、           roadを見てみると、類義語がありますね。次はstreet, path, wayといったものがあります。こういったものの違いはなんだろう。といったように興味をそそるような感じで言います。ここにあるものも終わってしまったら。もうおしまいではありません。 (いくつか調べていくとさらに見たいと思うようなものは広がっていくということを言う。) 例えば、先ほどのfaceを使った表現であったり。Fearの類義語をしらべたときのその派生語を読み進めてみたり。といったように次々と進めることができて、はっきり言ってキリが無いくらいです。

7、最後のまとめ

  (いろいろ言ったから忘れてしまわないように言わなければない。)
       発音を見たいときでも使える。
  ・    せっかく引いたのだから、閉じてしまうのはもったいないと思う。
  ・   語のイメージをつかむようにする。(類語、プロフィール等)

これのほかにもまだまだ辞書を活用する方法はもちろんありますが、このことだけでも相当な材料が転がっているはずですから。ぜひやってみてください。以上でプレゼンテーションを終わります。


指導例17)木津谷 良介


someについて単語の説明をしたいと思います。まず『スーパー・アンカー』のp.1467を開きます。someの意味は「いくらかの」,「少しの」,「多少の」,という意味があります。同じような意味を持つ「any」がありますがその違いはp.67に載っています。

「any」は全体について述べる。「some」は一部について述べる。

例えば,「I like any music.」 なら「どんな音楽も好きだ。」となりますが,「I like some music.」なら「好きな音楽がある。」となります。また,否定文だと「I don’t like any music.」なら「どんな音楽も好きではない。」となるが「I don’t like some music.」なら「好きでない音楽もある」となり「any」は音楽全体を否定しているのに対して,「some」は一部の音楽を否定している意味になります。
また、p.1469には,「somebody」,「someday」,「someone」,「something」,「sometimes」等があるので一緒に覚えておくと良いと思います。


指導例18)樋詰 泰行

まず初めに第二パラグラフの最後、Dreams might be a way of facing fearsを見て下さい。facingface、一般的には顔の意味であるが、facingになっている事からもfaceに動詞の意味がある事が分かります。そこで『スーパー・アンカー』P534を開いてください。動詞の意味で、〜に面する。向く。立ち向かうとあります。「向く」や「面する」は、想像がつくかもしれませんが立ち向かうといった意味ではconfrontchallengeを使いがちではないでしょうか?次にfearを見てみましょう。fearfaceに比べて動詞がある事は分かるでしょう。P155を開いて下さい。ここでfearの覧に<類語>があるのが分かるでしょう。『スーパー・アンカー』をぱっと見ると分かりますが、所々に(プロフィール)(語法)(会話)(対話)(日英比較)などがあります。ワンポイントといった風に「あっ、そうだ!」と思い出し、「なるほど」となるでしょう。特に注目して欲しいのが類語です。類語が出て来たら「おっ、来たな!」と注意を注ぐ様にしましょう。それではfearの類語を見ましょう。fearの他にfrightterrordreadと並び、それぞれの意味があります。 frightterrorは具体的に使う場所が違う事が分かるでしょう。しかしdread「何か悪いことが起こるのではという恐怖」これとfearの訳の分け方などは知らないとニュアンスの違いが難しいでしょう。では次にdreadを見てみましょう。P452です。「何か起こるのでは?という恐怖」⇒「将来に対する不安」不安⇒uneasy uneasiness普通に単語を調べて、あてはめるかもしれません。日本人どうしで話したら理解でき、また、ネイティブの人なら「あ、こう言いたいのだな」と悟ってくれるかもしれません。ですがfearの様に恐怖は恐怖でも場面を想定して、しっくりくる話を選択する為にも辞書は必要であり、またfaceの様に「はい、顔」と一般的のみならず素朴でない人から、たしなみあり自信のある人まで常に「片手に辞書を持つ!」といった姿勢は大切です。


指導例19)奈良洋祐

☆はじめに頭の柔軟体操をしてみましょう。

舌 尺 正

上の三つの漢字にはある共通点があります。さてそれはなんでしょう?

念のために言っておきますが、国語の授業ではありません。いきなり漢字のクイズを出されてびっくりしている人もいるかも知れませんが、このクイズの答えはこれから始まる英語の話を理解するのに役立つので、ひとつ真剣に考えてみてください。

   ・・勘のいい人はすぐに解かってしまったでしょう。答えは、

話   訳   証

それぞれの漢字に「ごんべん」をつける事が出来ます。そしてそれによってまったく関連性のなかった3つの漢字が言語関連の漢字になりました。日本語にはこのような「偏」「旁」「冠」「垂」のように、ひとつの字に付加価値をつけたり、語を補ったりするものがあります。これに似て、英語にもひとつの単語にくっつくことにより、その単語の意味を変えたり補ったりしてくれる語があります。それを、単語の前のつくものを接頭辞、(後につくものを接尾辞)といいます。今日はその接頭辞のほうに注目して話を進めていきたいと思います。

は、プリントの用例の3つめを読んでみます。

Often this is caused by an unsolved problem.

ここでunsolvedという単語に着目してみましょう。みなさんこの単語を辞書で引いてみてください。・・・みつかりましたか?残念ながらみつからないですね。

こんな単語も載っていないなんて本当にこの辞書は大丈夫なのでしょうか!?そう思ってしまった人もご安心ください。これは次のように考えればわかります。

 un / solved

このunを辞書で引いてみると,単語の横に接頭辞の記号がついています。unは接頭辞で、

1.形容詞・副詞・名詞に付けて「否定・欠如」の意味を表す。

2.動詞につけて、その動詞の逆の意味を表す。

3.名詞に付けて、その名詞の表す意味を「取り去る」「解放する」の意味の動詞を作る。

という意味が載っています。

次にsolveを辞書で引くと、

(問題・なぞ・秘密など)を解く、解明する;(困難など)を解決する。

となっています。

solveは動詞なので、unの用法2つめを参照して、solvedの逆の意味、つまり「解明されていない」→「未解決の」という意味になります。

  辞書には接頭辞の意味だけでなくその語法や用例も載っているので確実に覚えられます。

身近な接頭辞を挙げていきます。

ab:  〜から離れて・〜から分離して (例)abnormal, avert (bが省略されている)

be: (全面的に)〜の状態にする (例)befriend, belittle

com : いっしょに・ともに (例)combine, community

con : いっしょに・ともに・全く (例) connection, concentrate 

de: 反対・逆の (例)decentralize, demilitarize

en/em: 〜にする・中に入れる (例)encourage, endanger

in: なかに・なかへ・〜へむかって・非・無 (例)inject, inability

pre: 以前の・前もって (例)preposition, prepay

re: 再び・し直す (例)return, repay

semi: 半分・〜に2回・一部分・半ば (例)semimonthly, semiconscious

sub: 下の・次の・副・亜・半ば (例)subway, subtitle

この他にもまだまだたくさんの接頭辞があります。

☆また『スーパー・アンカー』には付録に、「語源で覚える英単語」と題して、接頭辞や接尾辞、そして語根についての単語解説がついています。ここをうまく利用することでさらに能率が上がるでしょう。

考察

英単語を覚えるにあたって、一つ一つ覚えてゆくよりも、接頭辞の持つ意味やその使い方を辞書を使って勉強することで、大量の単語を効率的に学ぶことが出来ます。そしてその単語が持つニュアンスを知ることも可能です。それにより、英語のボキャブラリーや表現力も飛躍的に伸びるでしょう。

今日接頭辞という日本語と英米語の類似点を知ったことで、みなさんは英語に親近感をもてたことでしょう。なにかを勉強することは果てしなく奥が深いと思います。しかし努力と工夫次第で、より早くより大きな穴を掘り進んでゆくことが出来ると私は考えます。

日本と英米の言語の違いに恐れず、このような類似点や法則をおぼえることが重要で、それが「英語を解かるようになる」までの土台となると思います。 


指導例20)鈴木 裕一

僕はこの文章の中で「dream」と言う単語を使って辞書に親しむ方法を紹介したいと思います。この「dream」と言う単語はこの文章の中での話題です。「dream」と言う語は名詞と動詞、二種類の意味を持ちます。では早速「dream」を辞書で引いて見ましょう。まずは最初の名詞から。意味的には、(睡眠中の)夢、夢心地、(心に描く)夢とあります。この意味は多くの人が知っている意味でしょう。それでは次に動詞の意味を確認してみましょう。自動詞と他動詞に分かれています。自動詞というのは目的語を取らずに、その動詞のみで意味をなす動詞です。他動詞は後ろに目的語を取り、それで文章を構成する動詞です。自動詞の意味は、(…の)夢を見る、(…を)夢に描く、{否定文で}(…のことを)思うという意味があります。他動詞のほうは(dream a ... dream)で、…な夢を見るという意味があります。「dream」が二つ続くのはとてもユニークです。
 さて、この単語の左上には1,2と数字が打ってあります。これは何を意味しているのでしょうか?これはおなじつづりで2個違った形があるということです。例えばほかに「book」、「face」、「have」、「land」・・・などがあります。このように、ただただ意味を知るために辞書を引くのではなく、同じつづりなのに違った形があるということを知っておけば、自分の語彙も広がるし、辞書を引くのが楽しくなると思います。中には全く意味が変わってしまうものもあるので、それを探してみるという観点で辞書を引いても面白いと思います。


指導案1)フーチエ
 
多くの学生達が英語を十数年間学習しても上手にならないのはなぜというと、誤った学習方法にあると思う。語彙の量が乏しい、英語に関する様様な知識が乏しいのである。辞書を使うより電子辞書のほうが便利で好きという考えはその証拠である。なぜというと、彼らは辞書を引く時直訳しか見ないから、ほかの解釈や用例や熟語などが無視されていた。しかし一つの語には文章によって意味が違ってくる、例えばbookは本と言う意味のほか帳簿、会計簿の意味もある、動詞として使うと予約すると言う意味になる、そのような多様性があるため語に関する色んなことを学習しないと英語を上達することは出来ないだと思う。より多く、深くかつ楽しく辞書を利用すべきだと思う。そのためにまずどうやって辞書を上手に使うのを勉強しましょう。

   『スーパー.アンカー英和辞典』を例として説明する。この辞書は様様な工夫でたくさんの知識、情報などを探しやすく、わかりやすく、楽しく引くことが出来る.例えばプリントには We can sometimes control the kinds of dreams we have by controlling what we think about as we go to sleep. Our dreams are as different as we are.

二つの文句がある。Asと言う単語が三回出てきた.一番簡単な語に見えるがその意味は何か、違いは何かと考えて見るとそう簡単にはいけない。辞書で引いてみましょう。その前に素早く引くコツを教えましょう。すべての辞書の開く側面にはAからZまでの文字が書かれている。L以上の文字の左側に、M以下の文字の右側に影の部分がある、それぞれの影の部分は対応する文字で始まる語のページになる。さらに二番目の文字の位置によって影のどの部分をめぐればいいのがわかる。Asの場合 影のより後ろの所を開けばより早く見つかる。開いた左のページの赤い線の上に書かれた語はこのページの最初の語で、右のページにも同じくページの最後の語が書かれているのでもっと長い語の場合それを見ながら引きたい語の文字順で早く見つけることができる。語を早く引けることで辞書を引くことも楽しくなってくると思う。

  次にP86からP88までasの所を見ると驚くほど四ページにわたって書かれている。赤いASだけで四個ある、どれをどう見ればいいのかを戸惑うでしょう。このように何ページも解釈がある語はたくさんあるので辞書の見方を習わないと戸惑うばかりで辞書をどんどん引けなくなる。そこでasを見るまえに6ページから13ページまでの所を見てみましょう.この辞書の使い方の説明がある。この部分を読むことでこの辞書の構造や特徴などがわかる。それを先に知るべきだと思う。読んで見るとまず赤く書かれた語は重要語であること、そして赤く書かれた訳、黒く太字で書かれた所は良く使われる、より大事な部分であることが書かれている。そのような部分に目をつければ短時間で大体の要点を掴められると思う。詳しく解釈、用例、説明を見る時P12,P13で紹介された記号とラベル、略語などを先に見たほうが役に立つ。例えばTシャツマークがインフォーマルで、ネクタイマークはフォーマルで、二人の対話のマーク、( )中の部分は省略可能を示す、[ ]は中の部分は言い換え可能を示す、?は他の項目を「参照せよ」の意味を示すなどがある。

そして見出語の配列に関しては特大見出語で二つ以上の品詞がある語については、原則として別の見出語とし、左肩に小数字を付していたと書いてある。つまり1,2,3,4のASは品詞の違うASである。1Asは接続詞で、2Asは副詞で、3Asは前置詞で、?Asは関係代名詞で、意味や使い方の違いによって、それぞれのAsの中さらに違ったものを太い数字で配列されている。最初の文のAsともう一つの文のAs…Asは節が後続にしているので接続詞であることがわかる。つまり1Asの所を見ればいい、六つの違った使い方がある。最初のAsは1As1【時】を表すであることがすぐわかる、1As3【比較】の所、黒く太い字as…as AがあるのでAほど…(の)という意味であることがすぐわかる。しかし同じ【時】を表す場合でも四つ違った解釈がある、as…asの二つのasはどう違うだろうとさらに進んでみればわかる。前者は例文を見てみると(…のとき)という意味がわかる。さらに括弧の中の説明を一緒に見ると似たような意味持つwhen, whileとの使い分けもわかってきた、なるほどと思った。後者の場合すぐ後ろの括弧内を見るとまず間の…の部分は形容詞、副詞であるという説明がある、そして前のasは副詞で、あとのasは接続詞であることが書かれている。さらに2As副詞の所を飛んでみると確かに(as…as Aのas Aを省略した形。?1As3)1As3に参照せよと書いてある.そのように全ての語に番地をつけて探しやすくにしたうえ語の中も関連をつけた。さらにネットワークのようにあらゆる語の間も関連つけて広げていくような形を取っている。最後の熟語の所を見ればわかる。例えばas…as can be?1can,指示通りにするとP221でas…as can beの解釈があった。他にas long as, as A goなども同じく他の語の解釈の所で詳しい説明を見つけることが出来る。それこそ辞書のいい所、楽しい所だと思う。Asのように英語の単語は同じ語でも文章の中で、会話の中で色んな形で、色んな意味で、色んな表現で出てくるのでそれらを理解するには学習する努力が必要で、正しく辞書を利用すれば出来るだと思う。私達は辞書を引く時一箇所だけを見るじゃなくて色んな角度から広げて見れば自分の知識も一緒に広げる、解釈だけを見るじゃなくて、語法、諺、類語、プロフィール、日英比較欄など学習者の理解を深めるために設けた欄を読むべき、そうする事で実用的英語を身に付けることができて、本当に英語を使えるようになるでしょう。   


指導案2)市村佳奈子

まず、授業内で配布されたプリントの下のほうにある英作文に注目する。

@ 次に第二パラグラフにある“awake”という単語に注目する。そしてこの単語を含むこのセンテンス、“Dreams almost always grow from some thought we’ve had while we’re awake.”の訳は、「夢はほとんど常に、目が覚めている間、私たちが持っていたある考えか

ら生まれる。」となる

それでは早速、辞書でこの単語を調べてみるにする。

P.106 awake:形容詞、名詞の前では用いない

 意味→目が覚めて 例文→awake or asleep 「寝ても覚めも」    反意語→asleep 

     こうしたことにより、上記のセンテンス中での“awake”の使われ方が
  形容詞としてだとわかる。

A反意語である“asleep”についても調べる。

P.91 asleep:形容詞、名詞の前では用いない
意味→眠って 例文→He is fast [sound] asleep. 「彼はぐっすりっている。」 反意語→awake

    以上のことから、“awake”と“asleep”が反対の意味を表す単語である
  と分かる。

    このように辞書を使って、反対の意味の単語を調べることにより、よりひ
  とつの単語に対する知識が深まる。

B再び、“awake”に戻る。
そして次のページ(P.107)にある動詞形の「目が覚める」の意味に注目する。
そうすると、そこにはネクタイマークがあり、“
awake”が改まった硬い表現の語
であると分かる。そしてその次に辞書には、「
wake upを用いるのが普通」と書かれ
ている。よって、この語も辞書で引いてみる。

C  P.1728 wake up:意味→目が覚める 
そして、こちらにもawakewake upよりも堅い語であると書かれている。
さらに、このページの真下の部分に注目する。これはある二人の会話の例である。

“Wake up, Jim.Wake up! “ “Oh, I’m sleepy. What time is it, Mom?”

「起きなさい、ジム起きなさい。」「あー眠いよ。何時?ママ。」
 この例は親子の日常的な会話の例であると分かる。このことからも、“wake up
 が改まった堅苦しい語でなく、日常においてよく使われる単語であると分かる。

     このように『スーパー・アンカー』には、私たちにとても身近な例文が数多く
  載っており、更なる知識を深めてくれる材料になるので、活用していくべきだ。

Dさらに注目したいのが、“awake”と“wake”のそれぞれ、また別の意味についてである。

もう一度“wake”を見る。

P.1728 右上、意味の2番目
 wake[比喩的に](人・感情など)を奮起させる、活動させる;
    
(…に)気づかせる(to
  例文→The accident woke them to their danger.
  「その事故で彼らは身の危険に気づいた。」

とある。  

 E次にまた、動詞形の“awake”に戻る。

  P.107 意味の2番目

   awake[比喩的に](怠惰・無気力などから)目覚める、奮起する(from
       例文→−awake from illusion「迷いから目覚める」

     つまり、“awake”も“wake”と同様に、「目が覚める」という意味以外に
  も共通して、「感情の面から奮起する」という意味がある。

     このように辞書を使えば、一つの単語の似た意味を持つものも調べられ、
  またそれらの更なる共通点も調べられるので、語学学習において、辞書
  は大いに活用すべきだ。

   −参考文献−
   『スーパー・アンカー英和辞典』(編集主幹:山岸勝榮 200241日発行
    学習研究社)


指導案3)青木佳代

今回、私は、4つ目のパラグラフのtalkに注目した。talk」という単語から、まず連想される意味は、「話す」である。辞書を引いてみる。(P.1576)

*talk*
<プロフィール>
<(ある話題について人と話す>()が基本義。話し相手の存在が強く意識されている。このことは名詞(2talk)の「おしゃべり」()、「講演」()、会議」()にもいえる。

<例文>
He doesn’t talk much about his past.
  →彼は自分の過去をあまり話さない。

ここで、ページを下へ、追っていくと右側のページに、「類語」という欄がある。ここに注目してほしい。

<類語>話す
talkは、「おしゃべりをする」「話し合う」の意で、通例話す相手を想定している。Speakは、「ことば[言語]をはなす」「改まった内容の話をする」の意で、話し手から聞き手への一方通行のことも多い。Tellは、「人にあることを告げる、知らせる」の意。

つまり、talkは、友達や先生など相手がいて話すことをいうのである。
このように、talkという単語を辞書で引くことにより、speaktellといった類語がある事がわかる。
 では、ついでに、speaktellも辞書を引いてみよう。辞書を引いてみる。(P.1480)

*speak*
―自1 話す、物を言う、口をきく(*(1)ほとんど意味のないことばから理路整然とした話までのあらゆる場合に用いる。(2)発言者のことばをそのまま伝えるときはsayを用いる。

ここで、→talk<類語>とある。ここからも、類語があることがわかる。

<例文>
Most children learn to speak before they are two.
  →2歳までにほとんどの子供がことばを話せるようになる。

talkspeakの意味は、基本的には同じであるが、talkは、相手が居て話す、speakは、一方的に話すというニュアンスが強い。

辞書を引いてみる。(P.1587)
*tell*
<プロフィール>
<(言葉を用いて情報を伝える>()が基本義。相手に情報を伝える含みが強く、この点、相手の有無と関係なく物を言ったり、話が一方通行になったりするspeaksayと異なる。相手に強く伝えて「命じる」()、伝える前提として「識別できる」()、「わかる」()の意味になった。また人以外のものを主語にして「表す」()の意味にもなる。

<例文>
If you knew he was ill, why didn’t you tell me?
  →きみは彼が病気だと知っていたのならばなぜぼくに話してくれなかったんだ。

P.S
4つ目のパラグラフのtalkは、talk aboutとなっていて、「〜について話す。」という意だが、同じような意味でdiscussがあるが、この単語には、aboutはつけずdiscuss1語で「〜について話し合う」という意味になる。


指導案4桃崎香織

辞書を活用した指導―『スーパー・アンカー英和辞典』を使って

 テキストのパラグラフ1の2行目「have」を辞書を使って、より生徒がわかりやすく、そして「have」に親しみやすくなるにはどうしたらよいのだろうかと考えた時、まずは自分たちの力で「have」を辞書で引く作業をしてもらう。教師としては、全ての生徒が自らの手で「have」を探すことができるかをよく見ておく必要がある。そうなると、生徒みんなで同じ辞書を使わせることも辞書指導を進めるにあたって、生徒もわからなかったら周りの友達に教えてもらったりできるので良いのではないか。そしてそれが使われている文章を見て、その内容把握のために「have」の意味についてだけを考えさせるのではなく、その前に「have」の箇所(P 703)に目を通させて、「have」にはいくつの意味が存在するのかを一通り調べてみることは大切なのではないだろうか。「have」には主語の後にくる、物事の状態や動作を表す動詞の意味と、動詞の手助けをする助動詞の2つ意味がある。そしてこの助動詞の「have」は、文法における現在完了形を作る場合には欠かせないモノ=単語なのである。それは、P 705 の「have」を見るとしっかり記述されている。そこでポイントとなるところは、語法の欄を使って文法指導という形で、要注意しなければならない「have」を使った現在完了の用法を指導することができる。その材料となるテキストの文章の意味とを照らし合わせた辞書の指導が無理のない英語教育における指導につながるのではないか。このように「have」には様々な場面で使うことのできる単語であることを生徒に実感させるべく、そしてそれを実際に活用することができるようにさせるために、教師は様々な方法をじっくりと前もって考えておくことが必要となる。その例として、私はまず「have」の基本義の説明から入ってみる。これは<プロフィール>という形で詳しく記載されており、基本義とは、その言葉の持つ最も基本的な意味にあたる。ここでは、<(有形・無形のものを)持っている>が基本義であるとされ、私の知識下から考えると、とっさに出てくる「have」の意味は、「何かを持っている」であるが、(無形)のもの、例えば感情や意見といったものも「have」を使って表現することができるのである。そしてこのことはやはり、両方とも例文を挙げて生徒に親しませることは大切である。(有形)のものの例としては、P 703 の「have」、対話 “ Do you have a pen? ” “ No, I don’t. ” を使用するのは、最もわかりやすいのではないか。実際に私は、中学1年生の最初の授業時に、このような「have」と「pen」を使った文章を目にした記憶がある。そして(無形)のものの例として、P 704、4のShe has a great dislike for snakes. とあるが、実際に私たちが日本語で、「ヘビが嫌いです。」と言うこととは少しニュアンスが異なると思えてくる。またこのような、〜が嫌いです、の表現には他に「not like」や「hate」といった言い方もあるが、これらにはどのような違いが見られるのかを、辞書を使って把握させることも大切になってくる。そしてこのような他の表現の存在を指摘した上ですぐに「dislike」を引かせることによって、生徒の語彙能力も高めることにつながるのではないか。また、辞書を引く機会を増やさせて親しみを感じてもらいたいとの考えから、日本と英米の文化について触れている箇所はとても重要視するべきポイントだと思う。日本との異なる点というのはとても多いのでそれが辞書を通じて知ることができるのはとても楽しい、と私自身感じる。生徒たちにもこのように感じてもらえれば辞書指導がとても意味のあるものになってくるのではないか、と考えている。ただでさえ、このスーパー・アンカー辞典を開けば単語がとても見やすく記載されているし、それを効果的に利用しなければとてももったいないことである。そのためにも、そして生徒によりよく英語学習において活用してもらうためにも、まずは教師自身が辞書を使用した言語(英語)理解を徹底する必要があるといえるだろう。


指導案5)水谷英治

@[should]の意味的な強さ

A[Present Perfect(現在完了形)]

英語に限らず、第2言語を学習する過程において、より多くの数の単語を習得しておくことは、その後の言語の継続的な学習に非常に有利だと考えられている。この概念には明確な根拠があり、それは乳幼児の言語習得の方法に基づいている。我々がまだ言葉を知らなかった頃、我々の母親は最初から完全な文章を用いて、我々に言葉を教え込もうと試みたことがあっただろうか。事実、我々は母親の口から出る個々の言葉、つまり『単語』を頻繁に耳にしていたに違いない。このことから、言語習得の根底にあるものは単語であり、幼少の頃から英語を聞く機会が皆無に等しい日本の言語学習者にとって、第2言語習得の早い段階から辞書を引くことに興味を持たせることは必要不可欠な要素だと言えよう。そこで、今回のレポートは言語学習者が単語を調べることに興味を持たせるような辞書指導の方法を、具体的な単語と共に記述していくことにする。

@[should]の意味的な強さ
『スーパー・アンカー英和辞典』によると、‘should’の主な意味に、【弱い義務・助言】として「…すべきである、…したほうがよい」と記載されている。勿論、この意味は正しく、弱い義務や提案を述べたい場合に、この単語を用いることができる。しかし、ここで英語を日本語に翻訳する上で問題が生じる可能性があることも、明らかにしておく必要がありそうだ。それは、つまり2番目の「…したほうがよい」という日本語に引きずられて、‘should’が助動詞‘had better’と似たような意味、もしくは‘had better’よりも強いニュアンスがあると勝手に解釈してしまうことだ。確かに日本語の場合、「…したほうがよい」と言われる方が、「…すべきである」と言われるよりも柔らかく聞こえ、上下関係に固執する日本文化の中では目上、もしくはさほど仲の良くない人と会話をする際、前者の言い回しが比較的に好まれる傾向にあるだろう。しかし、もしこの感覚で英語を母国語としている話者と会話をしようと試みるのなら、それは大きな誤解を生むことになりそうだ。なぜならば、英語では‘had better’は‘should’よりも強い指図、時には脅迫めいた言い回しになり兼ねないからだ。

映画を観ていると、‘You’d better leave your money!’という台詞を耳にすることがあるが、これは「お金を置いていった方がいい」というよりも、むしろ「金を置いていけ!」といった強い命令的なニュアンスがあることに気付かされる。命令だから命令形を用いるというような冷たい方程式の思い込みは、皮肉にも、文法と翻訳に忠実すぎる日本の英語学習方法が招いた結果なのかもしれない。いずれにせよ、英単語を習得する際、日本語に惑わされることがないよう、辞書に記載されている意味の強さ・弱さを示してある表などを十分に活用することをお薦めする。文法書にあるような文章による説明より、ビジュアル的なものの方が、人間の記憶の中に留まりやすいに違いない。

A[Present Perfect現在完了形)]
ある文法書に記載されている現在完了形の説明に、「完了形は2つの時に繋がりを持ち、現在完了で言えば『過去に生じた事柄が現在にどう繋がり影響しているかということ、つまり現状』に重点があり、『過去に生じた事柄自体』には関心が向いていない。したがって現在完了は現在時制の一種であり、明らかに過去を示す副詞語句と一緒に用いることはできない。」とある。また、『スーパー・アンカー英和辞典』によると、現在完了には@完了・結果、A「経験」、B「継続」を表すという3つの用法があると記述されている。これらの説明をもとに、今回は特に日本語が招く【継続用法】と進行形の混同に関して描写していくことにする。そもそも、問題は日本語訳にあると考えられる。具体的に言えば、両者とも「…している」と訳されるのが一般的で、この場合、訳を聞いただけでは過去から現在に至るまでの継続的な時間の経過を示しているのか、もしくは時間軸の中のある一点において行われている動作を表しているのかが不明確になってしまう。時間の流れを、以下に直線を用いて表してみた。

     

上記の図からも判断できるように、同じ「…している」でも、現在完了の継続用法は過去のある一点から現在に至るまでの継続的な時間の流れを表す一方、進行形はある一点において物事の動作が行われていることを意味するため、両者は全く異なるものである。それにも関わらず、これら2つを混同している言語学習者が数多くいることは、日本語訳の乏しさに問題があると考えられる。そういうわけで辞書を引く際、訳だけに注目するのではなく、その例文、もしくは時間軸を示した図を用いて、その意味を正しく理解することが必要なのである。

Reference
‐山岸勝榮『スーパー・アンカー英和辞典』/学習研究社(2001年)
‐高橋潔・根岸雅史『基礎からの新総合英語』/数研出版株式会社(1998年)


指導案6)宇佐美康洋

辞書に親しむにはどうしたらよいか?それは辞書をうまく最大限に活用することだと思う。しかし、辞書を使っている人のどのくらいの人が辞書の機能を最大限に利用しているか?私たちの大半の人はわからない単語の意味を調べるときのみに活用すると思う。もっと細かく言えば、その単語の一番主要な意味しか確認しないのが今のほとんどの学生であると私は思う。例えば、授業中にも取り上げたbook という単語を例にしてみると、

1book [buk]名 (複 〜s[-s]
    1 [C] 、書物、書籍;(原稿段階の)長編小説
        2 [C] (書物の)、編
   3 [C帳簿;(電話帳などのような)帳;(小切手・切符などの)とじ込み
   4 [s] 会計簿 
   
5 [the B-]聖書     
    6 [C](歌劇などの)台本  
  
7[C](競馬の)かけの帳簿

とこのように辞書には書かれているが、極端に言えば、私たちは1の本という意味を調べただけで辞書を閉じてしまう。これでは辞書を活かしきれていないと思う。そのほかにも辞書にはそれぞれ個性(特徴)を持っている。そこでまず辞書を購入した際、必ず目を通さなければいけないのは、どの辞書にも必ずある「辞書の使い方」というページです。これはいわば、家電製品でいう取り扱い説明書である。家電製品でも取り扱い説明書がなければその機能を最大限に活用できないと思う。辞書も同様に「辞書の使い方」をしっかり把握していなければ宝の持ち腐れだ。そこで、この『スーパー・アンカー英和辞典』の素晴らしい特徴をいくつかあげます。(p [6][18])    

  1.      記号とラベル     4.ことわざの極意
2.     類語         5.会話
3.     日英比較       6.英語文化

1の記号とレベルではスピーチレベルをネクタイマークとTシャツマークで表示されていて会話の中で大いに役立ち、またこの辞書では全ての左のページの上にきちんとマークが書かれ、その他(タブー)や()()など知っていればとても役立つマークがあります。p[14]の類語では150語以上の類語を一目でわかるように掲載されていています。類語は単語の語彙を増やす役割を果たし、また会話や作文の時などにしっかりとした単語を選べば誤解を招かなくてすみます。その他に、日英比較、ことわざの極意、会話、英語文化などが辞書で学ぶことができます。その中でも特にキーポイントとなるのが英語文化を学ぶことができる点だと思う。辞書とは単に単語の意味を調べるというだけではないことがわかった。辞書は言わば、全てが載っている英語の教科書であり、良い辞書と出会えばその辞書一冊で多くのことを学べることがわかった。

 ここからは本題に入り、辞書に多く触れて様々な単語の意味を説明します。今回、私が注目した点は、頻度を表す副詞についてです。私たち日本人は普段、副詞を用いる時にはその頻度を熟慮しないで言葉を構成していると思います。しかし、英語では副詞と言うものにはそれぞれの頻度がはっきりと定められています。そこで、私が取り上げたのが,

  

almost, always, often, sometimes, などの副詞です。まずそれぞれの単語の意味を確認します。ここでは、最もよく使う意味のみをあげます。Almostは、ほとんど、もう少しで、ほぼ、です。Alwaysは、いつも、常に、いつでも、です。Oftenは、よく、たびたび、しばしば、です。最後にsometimesは、ときには、ときどき、時おり、です。日本語に直してみると、それぞれの頻度がおおよそわかりますが、では、英語をまだ始めたばかりの中学生にはっきりと副詞を使えるでしょうか?これら四つの単語はよく目にしますし、頻繁に用いることも多いですが、例えば、同じ副詞のnearly always, not alwaysalmost neverなどあまり目にしない単語ならなおさら頻度の差はわからないと思います。そこで、これらの副詞の頻度をわかりやすくした表がこの辞書には載っています。

本来副詞はなくても文は通じるように、副詞とは形容詞や動詞などを修飾するもので、文をさらに詳しく説明する働きを持っています。しかし、副詞の選択を間違ってしまうとせっかく文をわかりやすくしようとしたものが、かえって文を複雑にしてしまいます。例えば I always get up at 7. I seldom get up at 7.を比較してみると、どちらとも頻度を考えなければ私は7時に起きます。となりますが、alwaysseldomでは意味が大きく異なります。このように副詞をしっかりと理解していなければコミュニケーション時に誤解を招いてしまいます。それにはたくさん辞書に触れることです。この辞書はとてもわかりやすい表があります。またわかりやすい解説と用例もあります。何よりも、辞書を引くことが楽しくなる辞書です。